クズ(葛)は日本〜朝鮮半島〜中国原産、マメ科クズ属のつる性多年草です。
夏になると、赤紫の花を咲かせるたくましい植物です。
クズといえば日本では和菓子で有名ですね。
葛きり、葛餅、葛まんじゅう、などなど。
飲み物としてはクズ湯も良く知られていますが、クズ茶として楽しむ方法もあるんですよ。
クズの根を使ったクズ茶は甘くてトロみがあり、身体をぽかぽかと温めるので風邪のひき始めに効果的です。
またクズの根を使った生薬は葛根(かっこん)といいます。
葛根が使われる代表的な漢方薬が、葛根湯です。
風邪薬として有名ですね。
この記事では、
- クズ茶の効果・効能
- クズ茶の正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
クズ茶の効果・効能
クズ茶は風邪のひき始めに役立つお茶です。
主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
デンプン | 血行促進作用、発汗作用、解熱作用 |
イソフラボン | エストロゲン様作用 |
サポニン | 界面活性作用、コレステロール値の抑制、抗酸化作用、免疫アップ |
β-シトステロール | 免疫調整作用、消炎作用、コレステロール値の抑制 |
クズ茶の効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
デンプン
クズ茶のトロミの元となる成分です。
各種デンプンの中でもクズに含まれるものは最も良質とされています。
- 血行を促進して身体をしっかりと温める
- 発汗作用とともに解熱を促す
などの効果が期待できます。
イソフラボン
これはフラボノイドの仲間でマメ科の植物に多く含まれています。
さらにダイゼイン、ダイジン、プエラリンなどに細分化されます。
- 女性ホルモンに似た作用で、更年期症状を緩和する
- 肌や髪をツヤツヤに保つ
といった効果が期待できます。
ところで、クズの根ではなく「花に含まれるイソフラボン」には特有の働きがあることが分かってきました。
- 脂肪の合成を抑制する
- 脂肪の分解を助け、燃焼を促進する
などのダイエット効果が注目されています。
後述で、クズの花を利用したお茶についてもご紹介致します。
サポニン
これは苦味を持つ成分です。
水を加えて混ぜると泡立つ界面活性作用を持っています。
- コレステロールや過酸化脂質を抑えて血流改善
- 免疫力アップで、ウイルスや細菌から身体を守る
といった効果が期待できます。
β-シトステロール
これは植物性ステロールです。
- 免疫調整、消炎作用でアレルギーや風邪症状を緩和する
- コレステロールを抑える
などの効果が期待できます。
以上、ここまでいくつかの有効成分をご紹介してきました。
しかしクズ茶に用いる葛粉はクズの根を念入りに精製して作るため、デンプン以外の栄養分は微量にとどまります。
薬効を重視したい場合、漢方薬の葛根湯の方が有効成分は豊富です。
クズ茶の副作用について
クズ茶は特別に注意すべき副作用などはありません。
どなたでも安心してお楽しみ頂けます。
ですが、どのお茶でも言えることですが、あまり過剰に飲みすぎると身体に害を及ぼすことも考えられます。
糖分の取りすぎも気になるところです。
飲用は、ほどほどの適量を心がけましょう。
クズ茶の味と香りについて
クズ茶に使う葛粉は若干の苦味があるので、砂糖やハチミツを加えるのが一般的です。
そのためクズ茶は甘みがあり美味しく仕上がります。
そして特徴的なのはその舌触りです。
たっぷりとしたトロミがあり、なめらかな食感が楽しめます。
クズ茶を美味しく飲む方法と作り方
クズ茶を美味しく飲む方法をご紹介します。
基本の作り方
まずは市販の葛粉を用意します。
葛粉とはクズの根から取ったデンプンを精製加工したものです。
クズの根を100%使ったものを本葛(ほんくず)と呼びます。
しかし本葛は生産量が少なく、高価なものとなっています。
代わりにサツマイモなどのデンプンを使い、葛粉とする商品もあります。
カップに以下の材料を入れます。
- 葛粉 大さじ1
- 抹茶 小さじ1
そこに水大さじ1を加えて混ぜ、粉っぽさをなくします。
そこに沸騰したての熱湯を1杯分注ぎ入れます。
さらにしっかりとかき混ぜ、砂糖を加えて出来上がりです。
砂糖は大さじ1を目安にお好みで調節して下さい。
アツアツにしたい場合は、改めて電子レンジで加熱しましょう。
透明感が出ると、なめらかで美味しいクズ茶に仕上がります。
ちなみにお湯の量を少なめにするとトロミが強く、飲むというよりは「すくって食べる」デザート感覚になります。
反対に、お湯を多めにすればサラサラ感が増してライト感覚になります。
その日の気分で変えてみても楽しいですね。
また、クズ茶にはお湯を足すだけでできる商品、1杯分ずつ個包装になっている商品なども色々と販売されています。
その場合は、それぞれの商品に記載の作り方を参照してみて下さい。
オススメブレンドティー
クズ茶は甘味を足してあげることがポイントとなります。
基本の作り方では砂糖を使いましたが、代わりに「ハチミツ+レモン」を使うとまた違った風味が楽しめます。
ハチミツは砂糖と同様、大さじ1を目安にお好みで調節します。
そこにレモン汁を適量加えてみて下さい。
それから、抹茶の代わりに「粉末緑茶」を使うことも可能です。
抹茶はまろやかな甘味が特徴で、スイーツにもよく使われています。
対して粉末緑茶(煎茶)の方が、おなじみのさっぱりした味わいです。
そして何と言ってもお財布に優しいのが魅力ですね。
クズ茶に合うお菓子、食事
優しい甘さでほっこりするクズ茶は、和のデザートとの相性抜群です。
中でも甘さと苦さをあわせ持つ「抹茶アイスクリーム」はオススメです。
抹茶アイスクリームは、白玉ぜんざいの上に乗せたりワッフルに乗せたりすると、豪華なデザートに。
変わったところだと、フレンチトーストに乗せても美味しいです。
クセのないバニラアイスとのコラボなんかも良いですね。
もちろん抹茶アイス単体でもさっぱりして美味しいです。
クズ茶のオススメ入手法と買い方
クズ茶にする葛粉は、自家製で精製するには大変手間がかかります。
ですので皆さんはお手軽に市販の葛粉を入手しましょう。
あるいは、砂糖などの糖分や緑茶があらかじめ配合された「クズ茶の素」も商品化されていますよ。
ネット通販での取り扱いをいくつかご紹介します。
まずは本葛と甘藷澱粉を配合したリーズナブルなタイプの葛粉です。
次にご紹介するのは1杯分ずつの個包装タイプです。
砂糖や抹茶もすでに入っていますので、後はお湯を注ぐだけで楽チンです♪
ところで近年、クズの花に含まれているイソフラボンには、脂肪の分解を手伝って減らすサポート的な働きがあることがわかってきました。
従来のクズの根ではなく、花の成分ということですね。
このクズの花由来イソフラボンを利用したお茶がアサヒから出ています。
その名は「からだ十六茶」。
内臓脂肪を減らすのを助け、脂肪や糖の吸収を抑えてくれる健康茶です。
ダイエットに興味をお持ちの方は要チェックですね。
まとめ
[box01 title=”クズ茶の要点”]
- 血流を良くして身体を温める
- 発汗、解熱作用があり免疫力も整える
- 以上のことから風邪のひき始めに効果的
- その他、更年期症状の緩和やコレステロール抑制の働きもある
- クズの花由来イソフラボンには脂肪を減らすのを助ける働きがある
- なめらかなトロミが特徴
- 砂糖やハチミツで甘みをつけていただく
[/box01]
「冷えは万病の元」と言いますね。
クズ茶のトロミはお腹をぽかぽかと温めるので、身体が弱っている時にもオススメです。
免疫力を上げて風邪を寄せつけない元気な身体になりましょう!
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