クチナシは、日本・台湾・中国・インドシナ原産、アカネ科クチナシ属の常緑低木です。
クチナシをご存知の方は、香り高く白い花のことを思い浮かべるのではないでしょうか。
今回ご紹介するクチナシのお茶は、花ではなく果実の方を使います。
果実は皮が茶色、そして中身はオレンジ色をしており食品の着色料にも用いられています。
クチナシティーは血流や肝臓を健やかに保つ働きがあります。
血行不良はあらゆる不調の引き金になりますので、嬉しい効能ですね。
そして肝臓と言えば老廃物や毒素の排出を担当しています。
健康維持に優れた効能を持つクチナシは、「サンシシ」という生薬として日本薬局方にも入っていますよ。
この記事では、
- クチナシティーの効果・効能
- クチナシティーの正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
クチナシティーの効果・効能
クチナシティーは、血流と肝臓の健康維持や、炎症にも役立つお茶です。
漢方ではクチナシの果実を「サンシシ」と呼び、生薬として扱われています。
公益社団法人 東京生薬協会のサイトによると
“適応→漢方処方用薬:消炎・清熱・精神安定作用があり、充血、吐血、煩燥、黄疸、炎症、高血圧などを改善する薬方に配合される。”
−出典:公益社団法人 東京生薬協会−サンシシ(山梔子)
とありました。
主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
ゲニポシド | 抗炎症作用、胆汁分泌促進 |
ゲニポシド酸 | 血圧降下作用、血流改善、コレステロール抑制 |
クロシン | 記憶力向上、睡眠の質改善、ガン予防 |
クロセチン | 眼精疲労の緩和、血流改善 |
クチナシティーの効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
ゲニポシド
これは植物が作り出すイリドイドという二次代謝物の一種です。
さらに糖と結合することで配糖体として存在しています。
- 抗炎症作用で身体の炎症トラブルを緩和する
- 胆汁の分泌を促進し、脂肪の消化吸収や老廃物排出を円滑にする
といった効果が期待できます。
ゲニポシド酸
この成分もゲニポシドと同じくイリドイド類に属しています。
副交感神経を刺激し、血管を広げる作用があります。
- 血流が良くなり高血圧を改善する
- 冷えから来る肩こりや腰痛、関節痛などを改善する
- コレステロールの上昇を抑える
などの効果が期待できます。
また副交感神経が優位になるということでリラックス作用や鎮静作用も期待できます。
クロシン
これは天然カロチノイドという色素成分の一種です。
- 記憶力を高める
- 大脳がしっかり休息できるノンレム睡眠の増加
- ガンを予防する
などの効果が期待できます。
クロセチン
こちらもクロシンと同様、カロチノイド色素の一種です。
- 目のコリをほぐして眼精疲労を緩和する
- 血の巡りを良くして肩こりを和らげる
といった効果が期待できます。
クチナシティーの副作用について
クチナシティーは、血圧が低い方は注意が必要です。
血圧を下げる作用で、さらに血圧が低くなってしまう恐れがあるためです。
しかしクチナシの血圧を下げる作用とは、血管を広げて血流を良くすることによる作用です。
お茶として適量を飲用する分には、さほど神経質になる必要はありません。
それからクチナシ(サンシシ)を含む漢方薬を長期に飲み続けた際に、大腸に異常が現れたという例があります。
そのため5年以上の長期にわたって継続的に常用することは避けて下さい。
クチナシティーの味と香りについて
クチナシティーはその鮮やかな見た目に対して風味はあまり強くなく、比較的さわやかです。
ただし、漢方系の苦みも感じられます。
香りもさほど強くありませんが、ほのかに独特の香りが漂います。
見た目と風味に独特の個性がありますので、ゆっくり楽しむというよりは漢方薬の感覚でクイッと一気にいってしまう方が良いかもしれませんね。
ところで全く別の飲み物になりますが、クチナシと言えば「クチナシ烏龍茶」というものがありますので、参考までにご紹介いたします。
これは、果実を使ったお茶とは全く別物で、クチナシの花の香りが漂う烏龍茶のことです。
烏龍茶そのものがクチナシの香りを持つものと、烏龍茶にクチナシの香り付けをしたものがあります。
こちらは飲み慣れた烏龍茶の風味をベースに、とても上品な花の香りを楽しむことができるお茶です。
クチナシティーを美味しく飲む方法と作り方
クチナシティーは独特の風味を持つお茶ではありますが、なるべく美味しく飲む方法をご紹介します。
基本の作り方
クチナシティーはクチナシの果実を乾燥加工したものを使います。
ティーバッグのタイプや、果実の原形タイプがありますが、いずれも煮出しを行います。
ケトルや小鍋に、水600ccを沸騰させます。
そこへクチナシの実3個を投入し、弱火にして3〜5分煮出します。
鮮やかな色が出てきたら火を止め、カップに注いで出来上がりです。
薬効を重視したい場合は、煮出し時間を10分位とって下さい。
また、水を少なくしてエキス状に煮出すこともオススメです。
その後お好みに応じてお湯でのばすこともできますし、濃いエキスを他のお茶にブレンドして使うこともできます。
なお、注意点としてクチナシティーは保存がききません。
まとめて作ったお茶は当日中に飲みきるようにしましょう。
オススメブレンドティー
クチナシティーはさわやかな中にも独特の風味があります。
そのため、私たちが飲み慣れた「麦茶」や「ほうじ茶」とのブレンドがオススメです。
麦茶やほうじ茶の香ばしさが、断然飲みやすくしてくれますよ。
煮出しタイプの麦茶であれば、クチナシと一緒に煮出すことができます。
一方、ほうじ茶は煮出しをせずにお湯で作るのが一般的です。
クチナシを煮出したお湯でほうじ茶を作るか、別々に淹れて最後にブレンドしましょう。
クチナシは一旦煮出すと保存がききませんので、麦茶とも別々に作って飲む直前にブレンドする方が扱いやすいかもしれませんね。
クチナシティーに合うお菓子、食事
クチナシティーは、唐辛子などのスパイスが効いた食事との組み合わせがオススメです。
中華料理では「麻婆豆腐」が家庭料理としてもポピュラーですね。
麻婆豆腐の辛味で血行が促進されて身体がポカポカになります。
血の巡りを良くするクチナシティーとの相乗効果も期待できます。
クチナシティーのオススメ入手法と買い方
クチナシティーは、クチナシの実を粉砕加工したティーバッグタイプと、実を原形のまま乾燥させたタイプが市販で出ています。
ネット通販での取り扱いをいくつかご紹介します。
まとめ
[box01 title=”クチナシティーの要点”]
- クチナシの実は「サンシシ」という生薬名で漢方に用いられる
- 高血圧、高コレステロールや冷え性といった血流の不調を改善する
- 胆汁の分泌を促進して肝機能を高める
- 睡眠の質を向上して脳を元気にする働きもある
- 5年以上にわたる長期使用には注意する
- 麦茶やほうじ茶とのブレンドがオススメ
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ゲニポシド、クロシン…なかなか覚えにくい成分名が色々と出てきました。
ゲニポシドとゲニポシド酸は名前がほとんど一緒ですが、効果効能には違いがあるようでした。
そしてクチナシの実の主要成分は、ゲニポシドの方になります。
クチナシの実は生薬として日本薬局方にも入っているとあって、高い効能が期待できそうですね。
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