ハハコグサは、キク科ハハコグサ属の二年草です。
別名をゴギョウと言って、春の七草にも数えられています。
原産国は、中国やインド、マレーシアにまで広がります。
日本でも、全国の田畑や土手、原野などに自生しています。
毎年4月~6月にかけて、黄色の小さな花を咲かせます。
鼠麹草(ソキクソウ)という名前で生薬としても使われているほか、漢方や料理にも使われています。
むかしは、草餅と言えばヨモギではなくハハコグサを使っていましたが、母と子を杵と臼でつくのは縁起が悪いということで、ヨモギに変わってしまったそうです。
この記事では、
- ハハコグサ茶の効果・効能
- ハハコグサ茶の正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくお話します。
ハハコグサ茶の効果・効能
ハハコグサ茶の主な成分は以下の通りです。
成分名 | 効果効能 |
---|---|
ルテオリン | 抗酸化作用、抗炎症作用 |
硝酸カリウム | 強い酸性の防腐剤や歯の研磨剤として利用 |
アピゲニン | 自律神経のバランスを整える、鎮痛作用 |
ケルセチン | 抗酸化作用、抗ヒスタミン作用 |
フィトステロール | 血中コレステロールの減少 |
ルテオリン
これはフラボノイドの一種です。
フラボノイドは過酸化脂質の生成を抑制することで、動脈硬化などの生活習慣病やがんを予防する抗酸化作用に優れています。
ルテオリンにもこの抗酸化作用があります。
そのほかにも、ルテオリンの効果として抗炎症作用、肝臓の解毒を促進する作用、アレルギーを抑制する作用などがあげられます。
硝酸カリウム
硝石とも呼ばれるこの成分は、強い酸性を持ちます。
そのため、発色剤や防腐剤としての役割を果たします。また、歯の研磨剤などにも使われています。
アピゲニン
これも、フラボノイドの一種です。抗酸化作用として、がんの予防などの効果があります。
ほかにも、GABA受動態と結合することで、神経系の活動を鎮める鎮静・鎮痛作用を促したり、ドーパミンの分泌を促進します。
また、自律神経のバランスを整えるなどの作用があるため、抗不安薬や精神安定剤として使われることもあります。
ケルセチン
これはビタミン、なかでもビタミンPの一種です。
抗酸化作用のほか、ビタミンCの吸収率を上げたり、脂肪分解酵素を活性化させたりと美容やダイエットに有力な効果を持ちます。
また、花粉症やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などを引き起こすヒスタミンを抑える抗ヒスタミン作用もあるので、免疫力アップにも一役買ってくれています。
フィトステロール
これには、血中のコレステロールを減少させる効果があります。
研究の結果として、食事で取り込んだコレステロールの80%を体外へ排出するというデータも出ています。
その他の効果・効能
ハハコグサ茶には上記の他にも様々な効果があります。
- 咳止め、鎮咳作用
- 痰切り(去痰)
- 利尿作用
- たむし、水虫改善
咳止め効果や、ケルセチンの抗ヒスタミン効果によって、喘息や気管支炎、扁桃腺炎などの改善にも役立ちます。
冷ましたハハコグサ茶でうがいをすることで、喉の炎症を抑えてくれるという効果もあるので、喉の調子が悪い時にはうがいと飲用の二つの方向から不調にアプローチできますね。
また、利尿作用によって腎炎やむくみにも効果が期待できます。
ハハコグサ茶の副作用について
ハハコグサ茶にはとくに注意するべき副作用はありません。
ノンカフェインなので妊娠中や授乳中の飲用にも特に問題点は提起されていません。
しかし、安全の保障もされていないので、以下の場合は医師に相談の上飲むようにしましょう。
- 妊娠中の場合
- 授乳中の場合
- 服用中の薬や治療中の病気がある場合
また、キク科植物なので、ヨモギやブタクサなど同じキク科植物にアレルギー反応のある方も服用には注意が必要です。
ハハコグサ茶の味と香りについて
ハハコグサ茶は、野草茶の一種なので、やや苦みと渋みがあります。
苦みや渋みも栄養の一部なので砂糖などで甘くするよりは、香りの強いハーブなどとブレンドして紛らわせてしまうほうがよいでしょう。
ハハコグサ茶を美味しく飲む方法と作り方
ハハコグサ茶は煎じ方によって効果の出方が変わってくるので、いくつか作り方をご紹介いたします。
気管支炎などに効果的な煎じ方
ハハコグサの全草を5~10g用意します。
コップ2杯分(360mlほど)の水と全草を火にかけます。
沸騰したら火を止めて、5分ほど煮出します。
これを1日3回に分けて服用することで、気管支炎などのどの不調に効果的です。
急性腎炎などに効果的な煎じ方
ハハコグサの全草を10g用意します。
コップ1杯分(180mlほど)の水と全草を火にかけます。
沸騰したら火を止めて、5分ほど煮出します。
これを1日3回に分けて服用することで、急性腎炎などの不調に効果的です。
この際、冷ましたものではなく再度温めなおしたものを服用するのがポイントです。
これを冷ましたものでうがいすると扁桃腺炎などに効果的です。
急須での作り方
急須に全草を一つまみ入れてから熱湯を注ぎます。
5分ほど蒸らせば、ハハコグサ茶の出来上がりです。
オススメブレンドティー
ハハコグサ茶と相性がいいのはシソです。
シソの清涼感のある香りは、ハハコグサ茶の苦みや渋みを抑えてくれます。
また、シソにはハハコグサと同じように鎮咳作用や精神安定作用、利尿作用、抗菌、抗アレルギー作用があります。
喉の調子が悪い時や心が落ち着かない時などにブレンドしたものを飲むことでより効率よく効果が得られますよ。
ハハコグサ茶に合うお菓子、食事
苦みや渋みがあるので、ケーキやあんこなどの甘いものよりは、少ししょっぱいものお煎餅のほうが相性がいいです。
ハハコグサ茶のオススメ入手法と買い方
ハハコグサ茶は茶葉としての販売があまり多くありません。
春の七草の時期であれば、スーパーの野菜コーナーなどで見かけることもありますが、通年置いてあるわけではありません。
健康茶の専門店などで手に入れるか、実際に採取して乾燥させるというのがメジャーな方法です。
幸い、ハハコグサは全国の田畑や土手で採取が可能ですし、ネットショッピングなどでも苗の販売をしています。
採取から茶葉を作る方法と、ネット上で購入できるハハコグサを何点か紹介いたします。
ハハコグサ茶葉の作り方
- 全草を採取します。
- ほこりや泥、土汚れを落としてきれいに洗います。
- 洗ったら日当たりのいいところで日干しします。
- 乾燥したら細かく刻んでビンなどで保存します。
- これで、いつでもハハコグサ茶を飲むことができます。
まとめ
[box01 title=”ハハコグサ茶の要点”]
- 春の七草のひとつ(ゴギョウ)
- 抗酸化作用に優れている
- アレルギーを抑制してくれる
- 精神安定作用がある
- 咳止めや去痰の効果がある
- ハハコグサ茶でうがいをするとのどの炎症に効果的
- 店頭販売は少なく、育てたものや野生のものを採取して作る
[/box01]
ハハコグサ茶は、のどの炎症を抑えたり、自律神経のバランスを整えてくれたりと、私たちの心や体を癒してくれます。
少し手間はかかりますが、風邪を引いたときや精神が不安な時などに備えて茶葉を用意しておくと良いですね。
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