「インフルエンザ対策に紅茶が効く!」
「ペットボトルの紅茶でインフルエンザ対策を!」
という話を聞いたことはありませんか?
寒い時期になると流行しだすインフルエンザは罹ってしまうと高熱や関節痛、寒気など様々な症状を引き起こす厄介な病気です。
このような病気に対して本当にインフルエンザに紅茶の効果が期待できるのでしょうか?
ここでは、インフルエンザ対策に紅茶が効くのか、エビデンス(根拠)は何なのかを詳しく説明していきます。
紅茶を飲んでインフルエンザ対策は本当にできるのか
インフルエンザはかかると高熱が出て、寒気や関節痛など様々な症状がでます。
一般的な風邪に比べると重くなりやすい疾患であるため、毎年警戒されています。
比較的、流行は冬などの寒い時期にみられる病気です。
インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ性質が変化して流行しています。
変化したウイルスに対応するための手段として予防接種を毎年受けることが現代の医学では最良とされています。
ただし、予防接種の効果には個人差があるため予防接種を受けても、症状は軽くなるもののインフルエンザにかかる場合もあります。予防接種を受けたとしても、手洗いをして他からインフルエンザをもらってこないようにする予防対策が大切になってきます。
では、インフルエンザ対策として紅茶は有効なのでしょうか。
紅茶によるインフルエンザ対策は、現状ではわからないというのが結論。
データが少なすぎるため本当に効果があるのか証明できないからです。
このように曖昧な情報を信じるよりは、以前から言われている、手洗いや咳エチケットなどがインフルエンザ対策としては確実ですよ。
紅茶の効果効能から考えられるエビデンス(根拠)
日本紅茶協会が、国立感染症研究所協力員であり獣医師・医学博士の研究した培地細胞を使った実験を元に書かれた内容がこちら。
「紅茶ポリフェノールは、インフルエンザの感染力を奪います。」
「インフルエンザウイルス感染性をわずか15秒で99.9%失わせることが可能です。」
(引用元:https://www.tea-a.gr.jp/labo/topics/topics01.html)
この研究は、インフルエンザウイルスを培養(増やす)実験の中で何もせずにウィルスを培養したものと紅茶を淹れて培養したものとを比べるという研究内容です。
増えたウィルスの数を数えた結果、紅茶を淹れたものは減少したという結果が報告されています。
しかし、この培養実験と、人に対する研究はまったく違いますよね。
体の中でも同じようなことがおこるかと言われると培養実験の試験管と人の体の構造や防御機能などにかなり違いがあるため疑問が残ります。
また、三井農林株式会社の研究プロジェクトでは
「紅茶の飲用頻度が高い人ほど、インフルエンザの発病率が低くなる傾向が見られました。」
引用元:http://www.ochalabo.com/power/btp.html
とあります。
このインフルエンザ発症の有無は自己申告であり、インフルエンザ陽性診断の検査をしている人と検査をせずインフルエンザ様の症状がある人が混同されてグラフになっています。
検査をせずに自己申告の中の人には、ただの風邪だと思っているが実はインフルエンザだった人、もしくはその逆の人もいる可能性があります。
客観的な情報として、インフルエンザ陽性診断の検査を全ての人に必ず行って得た情報ではないので、この研究結果は不十分です。
こういった研究結果というものはいくつかの論文が出てそれらを全て検証することで正しい事例であるか、間違っているのかということがわかってくるものになります。
紅茶によるインフルエンザ対策の研究はかなり論文が少なく正誤を判断できないのが現状です。
ただ、こういった研究結果がある以上、紅茶を飲んでいればインフルエンザの感染力弱める効果を得られるのではという期待をして、紅茶によるインフルエンザ対策が広まったと考えられます。
現状では、可能性はあるという程度です。効果があったとしても個人差があります。
ペットボトル紅茶飲料でも効果はある?
効果がある場合、ペットボトルの紅茶でも効果は得られるのでしょうか。
紅茶ポリフェノール自体は、ペットボトルの紅茶にも含まれています。
ただ、通常の茶葉から淹れた紅茶よりは濃度に違いが出てしまうため効果も弱くなることが考えられます。
水分摂取や喉を潤して予防をするには効果があるでしょうが、インフルエンザに対する紅茶自体の効果としては気休め程度だと考えた方がいいですね。
インフルエンザ対策には予防が大切!
紅茶の効果に関しては現状では判断できません。
手軽にできる方法を模索するのではなく確実に予防できる方法でインフルエンザ対策を行いましょう。
予防接種も大切ですが、手洗いや咳エチケットは予防として、とても大切。
手は特に色々な場所をさわっているので、正直なところ何がついているのかわかりません。
手で口元や鼻をさわったり手でものを食べたりすると体内に取り込まれる可能性が高くなります。
通常は、自分の免疫が打ち勝つため多少の雑菌が入ったところで風邪や病気は起こりませんがインフルエンザのような感染力の高いものは別です。
潔癖になろう!とまでは言いませんが普段より小まめに手を洗うことは予防として有効です。
- 帰ってきたら、手洗いをする。
- やくしゃみをして、テッシュで覆ったときなどはごみを捨てた後に手を洗う。
- 鼻、口元などはさわらないようにする
- 他人に移さないように鼻までしっかり覆ってマスクをつける咳エチケット
などもしっかり行いましょう。
また、喉が乾燥すると免疫機能が低下して感染しやすい状況になるので、小まめに水分摂取をしたり、加湿器をつけて湿度を保つことも大切ですよ
まとめ
- インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ性質が変化して流行する。
- 予防接種を毎年受けることが現代の医学では最良
- 紅茶ポリフェノールが感染を防ぐと言われているが可能性の域をでていない
- 紅茶によるインフルエンザ対策は、データが少なすぎるため効果があるのか証明できない
- 手洗いや咳エチケットなどがインフルエンザの予防対策としては確実
- 水分摂取や加湿器などで湿度を保って喉を潤すことも大切
インフルエンザ対策に紅茶が効くというのはデマというよりは情報が少なすぎるために判断できないというのが現状で、一つの研究結果を鵜呑みにするのはよくありません。まったく効果がないものとまでは言い切りませんが、気休め程度だと考えた方がいですね。
今まで通り、咳エチケットのためにマスク着用や手洗いを行うことがインフルエンザ予防には大事なので、意識して行うようにしていきましょう。
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