ノイバラ茶は利尿や便秘解消そして美肌サポートにも役立つお茶です。
ノイバラ(野茨)とはバラ科バラ属のつる性落葉低木。
日当たりの良い山野に自生する、いわゆる野生のバラです。
茎にはバラらしくトゲを持ち、5〜6月に小さめの白い花を咲かせます。
そして秋になる頃に赤い果実をつけます。
この赤い果実がまだ青みがかっているうちに収穫して作るのがノイバラ茶。
甘酸っぱさの中に渋み苦みも感じられるフルーティーな味わいです。
このノイバラの果実は生薬としても扱われ、生薬名は「営実(えいじつ)」。
作用が強く出やすいので注意しながらご使用下さい。
この記事では、
- ノイバラ茶の効果・効能
- ノイバラ茶の正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
ノイバラ茶の効果・効能
ノイバラ茶は生薬「営実」としては利尿・下剤に用いられます。
また抗酸化力が高いので老化予防や美肌サポートにも役立ちます。
主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
ムルチフロリン | 利尿作用、緩下作用 |
ケルセチン | 肥満予防、血流を整える、高血圧抑制、動脈硬化予防、抗酸化作用 |
リコピン | 抗酸化作用 |
ビタミンC | コラーゲン生成、美肌・美白作用、免疫力アップ、ストレス耐性アップ、抗酸化作用 |
ノイバラ茶の効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
ムルチフロリン
これはフラボノール類に分類されるフラボノイドの配糖体です。
ノイバラに含まれる代表的な有効成分で、
- 利尿を促す
- 便秘を解消する
といった効果が期待できます。
これらの効果はかなり強めに現れるため、自己判断での飲用は注意しなければなりません。
ケルセチン
こちらもフラボノイドに属する成分で、多くの健康効果を持つことから注目を集めています。
- 肥満を予防する
- 血流を整えて高血圧や動脈硬化を予防する
- 抗酸化作用でお肌の細胞活性化
といった効果が期待できます。
リコピン
これはカロテノイドと呼ばれる色素成分の1つで抗酸化作用を持ちます。
リコピンの色は深い赤です。
- お肌のアンチエイジング
- 体の中でも細胞の老化やがんを予防する
などの効果が期待できます。
ビタミンC
これはアスコルビン酸という成分のことで、美容に良いことが知られています。
- コラーゲン生成に関わり、体の組織を円滑に保つ
- お肌にハリを与え、シミを防ぐ
- 風邪やインフルエンザへの抵抗力を高める
- アドレナリンの分泌に関わり、ストレス耐性を高める
- 抗酸化作用で老化を食い止め、がんや動脈硬化を予防する
といった効果が期待できます。
ノイバラ茶の副作用について
先のムルチフロリンのところでも触れましたが、ノイバラにはかなり強めの下剤効果(緩下作用)があります。
そのため自己判断での使用は推奨されていません。
そのことを踏まえ、飲用される際はごく少量に留めるなどの注意が必要です。
当然ながら妊娠時や子供は避けた方が良いでしょう。
できれば漢方薬局で薬剤師にご相談いただいた上で、用法・用量を守ってお使い頂く方が安心です。
ノイバラ茶の味と香りについて
ノイバラ茶には甘酸っぱさがあります。
さらに渋みやビリっとした苦みも持っており複雑な味わいがあります。
ところでノイバラの実と似たものに、ローズヒップというヨーロッパ発の人気ハーブがあります。
こちらのローズヒップはドッグローズと呼ばれるバラの品種から採れる果実を使用したもの。
つまり正確にはこの2者は異なるものになりますが、さすがお仲間なだけに甘酸っぱい風味など似通った点もあるようです。
外見の赤い果実やビタミンCが豊富なところも似ています。
ノイバラ茶を美味しく飲む方法と作り方
ノイバラを採取してからお茶にするまでの作り方をご紹介します。
基本の作り方
ノイバラの果実(偽果と言います)の採取時期は、秋。
まだ青みが残っているうちに採取して天日干しにします。
確実に乾燥させたら保存がききますので、密閉容器などに入れて冷蔵庫に入れておきましょう。
薬用で用いる際の1日量は2〜5グラム。
これを煎じて2〜3回に分けて服用、とされています。
ノイバラは作用が激しいため、お茶として楽しむ場合には使用量を少なめにすると良いでしょう。
ブレンドティーレシピ
ノイバラ茶を民間利用で楽しむために、ノイバラ茶少量を他のお茶にブレンドする方法をご提案します。
単体でしっかりとした風味を持つお茶とのブレンドがおすすめです。
+ルイボス | 苦みが少なく、独特の香りが立つルイボスはおすすめ度NO.1。 高い抗酸化作用でアンチエイジングにも優れています。 |
---|---|
+マテ | マテはルイボスよりもマイルドなコクがあるお茶。 栄養豊富で「飲むサラダ」と呼ばれるほどです。 |
+紅茶 | 飲み慣れた紅茶とのブレンドはどなたにもおすすめ。 渋みと香りのハーモニーがとても上品です。 |
ノイバラ茶に合うお菓子、食事
フルーティーな酸味を持つノイバラ茶は、甘みたっぷりのスイーツと良く調和します。
そのため生クリームを使ったケーキなどは良く合います。
クッキーやマドレーヌといった焼き菓子もおすすめ。
健康を考えると甘さ控えめにと言いたいところですが、たまにはこんなスイーツで大切なひと時を過ごすのも悪くないですよね。
ノイバラ茶のオススメ入手法と買い方
ノイバラ茶は残念ながら、健康茶としての商品化がされていません。
そのため、ノイバラ茶を味わうためには
- 野生ノイバラを採取する
- 生薬としての営実(えいじつ)を購入する
の2通りの方法が考えられます。
野生ノイバラを採取する
まずは自生するノイバラを採取して、自家製で作るという方法です。
ノイバラは日本各地に広く分布し、山野や川岸などに生えています。
ノイバラの特徴は以下の通りです。
- 高さおよそ2メートル
- 良く枝分かれし、鋭いトゲがある
- 葉は奇数羽状複葉で、小葉は5~9枚
- 葉の形は楕円形か広卵形で先は尖っている
- 5〜6月に白か薄紅色の花を咲かせた時に判別しやすい
- 花は良い香りがあり、5つの花弁を持つ
- 秋に偽果が紅色に熟す
採取してからの作り方は前述の「基本の作り方」でご紹介していますので、宜しければ参考にしてみて下さい。
生薬としての営実を購入する
生薬としての営実(えいじつ)は、漢方薬局で入手することができます。
ネット通販でも買えますが、量が多いです。
初めて挑戦される場合は、お近くの漢方薬局へ直接行き、相談したほうがよいでしょう。
ノイバラ茶のまとめ
[box01 title=”ノイバラ茶の要点”]
- 薬用としては利尿・下剤に用いられる
- 高い抗酸化力で老化予防や美肌サポートにも役立つ
- 風味は甘酸っぱさの中に渋みや苦みもある
- 下剤効果が激しいため、民間利用は推奨されていない
- よってお茶として楽しむ場合も使用量は少なめに
- 少量を他のお茶にブレンドする方法も考えられる
[/box01]
ちなみにノイバラの実には外用での使い方もあります。
外用ではおできやニキビ、腫れ物に。
同じように煎じたお茶を使って患部を洗う他、腫れ物には冷湿布も効果的。
飲用だと強い下剤効果が心配なので、代わりに外用で使うというのも1つの方法ですね。
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