ソレル茶は高い抗酸化力を持ち、また整腸作用にも優れたお茶です。
抗酸化力ということは生活習慣病予防や美肌ケアに役立つほか、特に近年ではソレルのがんを抑える力についての研究がなされています。
ソレルとはヨーロッパ〜アジア原産、タデ科ギシギシ属の多年草。
和名「スイバ」といい、北海道から九州にかけて広く分布しています。
ソレルは古代エジプトでも使われていたとされる歴史の古いハーブ。
夏頃に花茎が伸びてきて、茶色〜赤紫がかった小花を房状につけます。
ソレルの大きな特徴は、その爽やかな酸味。
レモンに似ているとも称されるその風味はフランス料理のアクセントに用いられ、フランスでは「オゼイユ」と呼ばれています。
一方、ソレルの根茎を掘り起こして乾燥させたものは生薬になり、生薬名は「酸模(さんも)」です。
この記事では、
- ソレル茶の効果・効能
- ソレル茶の正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
ソレル茶の効果・効能
ソレル茶はビタミンCやフラボノイドなどが多く含まれ、高い抗酸化パワーでがん予防やエイジングケアに期待が高まるお茶。
さらに腸に良い成分も豊富で、便秘にも下痢にも効果的です。
ソレル茶の主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
ビタミンC | 抗酸化作用、美肌・美白作用、免疫力アップ |
タンニン | 収れん作用、抗菌作用、抗酸化作用 |
フラボノイド | 抗酸化作用 |
ビタミンA | 目の健康維持、皮膚・粘膜を作る |
クリソファノール | 緩下作用、肝機能を整える、胆汁分泌促進作用、利尿作用、収れん作用、抗菌作用 |
カリウム | むくみ取り、血圧正常化、筋肉活動の維持 |
ソレル茶の効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
ビタミンC
これはアスコルビン酸ともいわれる成分のこと。
高い抗酸化力を持ち、美容や美白にも役立ちます。
- 免疫力を強化し、風邪からがんに至るまで様々な病気を予防
- 細胞を健やかにしてアンチエイジング
- 肌のキメを整え、シミを予防するビューティーケア
といった効果が期待できます。
タンニン
これは多くのお茶に含まれ、渋みを生み出す成分です。
粘膜を引き締める収れん作用や、抗菌・抗酸化作用を持ちます。
- 腸の調子を整え、下痢を和らげる
- 細菌やウイルスが引き起こす胃腸炎や肺炎、風邪を軽減
- 食中毒の予防
- 抗酸化作用による免疫力アップ
などの効果が期待できます。
フラボノイド
これは数あるポリフェノールの中でも多くが属する一群のことです。
代表的な働きとして、抗酸化作用が挙げられます。
- がんの予防
- 動脈硬化など生活習慣病の予防
といった効果が期待できます。
ビタミンA
これは脂溶性ビタミンの一種です。
- 目の健康を保つ
- 皮膚や粘膜のバリア機能を強化する
などの効果が期待できます。
またビタミンAはビタミンCなどが持つ抗酸化力をパワーアップさせます。
相乗効果により、動脈硬化やがんの予防に高い効果が期待できます。
クリソファノール
これは便秘に良いとされるアントラキノン系成分で、主にソレルの根の部分に多く含まれています。
- 緩下作用が腸に働いて、お通じ改善
- 肝機能を整え、デトックス力アップで血液を浄化する
- 胆汁の分泌を促し、消化不良を改善
- 腎臓の働きをサポートし、利尿作用でむくみ改善
などの効果が期待できます。
ちなみに外用としては収れん作用や抗菌作用を活かして、けがの止血・鎮痛やたむしなどの皮膚病に用いられてきました。
カリウム
これは塩分摂りすぎを解消する大切なミネラルです。
- 体内の余分なナトリウムを排出して、むくみを取る
- 高血圧を予防する
- 筋肉の動きを正常に保つ
といった効果が期待できます。
ソレル茶の副作用について
ソレル茶には尿路結石の原因となりやすい、シュウ酸という成分が多く含まれています。
シュウ酸とは、ほうれん草や通常の緑茶などにも含まれる成分。
珍しいものではありませんが、それでも含有量が多いことは確かですので適量を心がけるようにしましょう。
特に食材として使う場合は生食を避け、茹でてから使うようにするとシュウ酸が軽減されます。
次に関節炎・リウマチ・結石・胃酸過多の方は、ソレル茶の作用が治療に影響するおそれがありますので、医師に申告の上注意してご使用下さい。
それからアントラキノン系成分は大量摂取や体質により、下痢や腹痛を引き起こすおそれがあります。
加えて長期的に摂取していると腸の動きが逆に悪くなると言われていますので、長期の継続的な常用は避けた方が良いでしょう。
ソレル茶の味と香りについて
ソレル茶は少し刺激的な酸味があるのが特徴。
このことから「酸葉(スイバ)」=酸っぱい葉っぱという和名がついています。
それから酸味だけでなくほろ苦さもあります。
このような風味を生かし、ソレルはフレンチのスープやドレッシング、お肉やお魚のソースなどにハーブとして用いられています。
ソレルはお料理に程よい酸味のアクセントをつける名脇役なのです。
ソレル茶を美味しく飲む方法と作り方
ソレル茶は市販の茶葉が出回っておりませんので、基本的には茶葉を自家製で手作りして頂くことになります。
自家製ソレル茶の作り方、そして美味しく飲む方法をご紹介します。
基本の作り方
ソレルの収穫期は主に春で、種まきの時期にもよりますが若葉の頃に全草を収穫するのがポイントです。
根茎葉の全草を収穫したらキレイに水洗いして、ざるなどに並べて天日干し。
カラカラに乾いたら茶葉の出来上がりです。
仕上げに電子レンジで加熱し、完全に乾燥させれば安心です。
適度な大きさにカットし、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて保存しましょう。
お茶にする時は、急須やティーポットに茶葉を適量入れて熱湯を注ぎます。
茶葉の量は大さじ1を目安に、お好みで調節して下さい。
フタをして3分~5分蒸らしたら、カップに注いで完成です。
ブレンドティーレシピ
ソレル茶にオススメのブレンドをご紹介します。
+緑茶 | ソレル茶にクセを感じる場合には緑茶と合わせてみて下さい。 飲み慣れた味がプラスされ、まろやかになります。 |
---|---|
+ウーロン茶 | こちらもソレル茶に飲みにくさを感じる時に。 ウーロン茶は比較的味が強めなので、さっぱりとした苦味で飲みやすくまとまります。 |
+ネトル | 主張が強くなく、じんわりとした青のり風味のネトル。 他のハーブの邪魔をしないので、ブレンドしやすいハーブです。 ミネラルが豊富で、花粉症対策にもよく使われています。 |
+ミント | 独特のスーッとする爽快感が特徴のミントは、すっぱ味のあるソレルと好相性。 ハーバルな香りでリフレッシュしたい時に。 |
ソレル茶に合うお菓子、食事
ソレルはフランス料理のソースやサラダのドレッシングに使われているように、お料理に酸味のアクセントをつけるのにぴったり。
お茶にした場合も同様、程よい酸味がありますので、少々油っこい鶏のから揚げなどと好相性です。
鶏のから揚げは、上からレモンを絞ると美味しいですよね。
もしレモンが無くても、ソレル茶のすっぱ味で後味スッキリさっぱりですよ。
ソレル茶のオススメ入手法と買い方
ソレルを入手するにあたっては、以下の3つの選択肢があります。
- ハーブのソレルを購入する
- 種を購入して育てる
- 自生するソレル(スイバ)を採取する
ハーブのソレルを購入する
ハーブのソレルやソレル茶の茶葉は、実は日本においては商品の販売がほとんど無いのが現状。
ですがハーブ専門店カリス成城が「シープソレル」という少し小さめの品種のパウダータイプを販売していました。
こちらは粉末がお湯に溶けきらないため、目の細かい茶こしを使って通常通りに淹れて頂くのがおすすめです。
種を購入して育てる
ソレルは種が販売されていますので、家庭菜園で育てることも可能です。
慣れてしまえば非常に力強く生育してくれますよ。
ソレルの栽培のポイントは以下のとおりです。
- 湿り気のある肥沃な土壌を好む
- 30cm位離して種をまき、軽く土をかけておく
- 土が乾いていたらたっぷりと水やり
- 肥料は1株当たり1握りの発酵油かすなどを月に1度施す
- 葉が茂ってきたら、若葉のうちに外側から順次収穫する
自生するソレル(スイバ)を採取する
ソレル(スイバ)は北海道から九州まで幅広く自生していますので、採取することができれば一番オトクです。
ただし同じタデ科の植物、ギシギシと見た目がそっくりで見分けがつきづらいのが難点です。
花がつく頃になると、ギシギシの花穂が緑色なのに対し、ソレルの花穂は赤みを帯びるので違いがはっきりしてきます。
ソレル茶のまとめ
今回は、ソレル茶の効果効能から注意事項、上手な作り方や入手方法に至るまでお伝えしてきました。
改めて、ソレル茶の要点をまとめておきます。
[box01 title=”ソレル茶の要点”]
- 高い抗酸化パワーでがん予防やエイジングケアに効果的
- 整腸作用に優れ、下痢にも便秘にも有効
- 肝臓や腎臓の機能を整えてデトックス
- シュウ酸含有量が多いので、適量を心がける
- アントラキノン成分を含むため、長期の継続的な常用は避ける
- 刺激的な酸味とほろ苦さが特徴
- 茶葉を自家製する場合は、若葉の頃に全草を収穫する
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ソレルはフレンチ食材に使われることに触れましたが、実は日本でも茹でておひたしや和え物にして食べられることもあります。
ビタミンCが豊富で美容にも良く、風邪予防にもなるソレル。
お近くで見かけたらまずは数枚、持ち帰ってみてはいかがでしょうか。
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