フジバカマ茶は血液サラサラ作用に優れ、血栓やむくみの改善サポートや糖尿病の予防にも役立つお茶です。
フジバカマ茶はキク科の多年草で、秋の七草の1つ。
中国が原産と言われ、日本の関東以西や朝鮮、中国に分布しています。
主に川岸などに群生して8〜9月には淡い赤紫色の細かな花を咲かせていましたが、環境の変化もあって数が減少。
現在は環境省のレッドリストにおいて準絶滅危惧種(NT)に指定されています。
フジバカマ茶は桜餅のような甘い香りでティータイムにぴったり。
リラックス効果でホッと一息つくことができますよ。
この記事では、
- フジバカマ茶の効果・効能
- フジバカマ茶の正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
フジバカマ茶の効果・効能
フジバカマ茶は血流を良くする働きに優れているため、様々な健康効果が期待できるお茶です。
主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
クマリン | 血流改善、むくみ改善、抗菌作用、抗酸化作用 |
チモヒドロキノン | 神経伝達物質の増強、抗菌作用 |
フジバカマ茶の効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
クマリン
これはフェノール酸系ポリフェノールの仲間で、桜餅の香りを持つことが知られています。
- 血液をサラサラにして血栓を防ぐ
- 血流を良くすることで、むくみを改善する
- 肩こりを軽減する
- 体内の巡りを良くして疲れを取りやすくする
- 抗菌作用と抗酸化作用もあり、病気や老化から体を守る
といった効果が期待できます。
チモヒドロキノン
これはフジバカマの精油に含まれる成分です。
- 神経伝達物質を増強し、脳の記憶力を活性化
- 抗菌作用で口臭予防や、様々な細菌感染トラブルを防止する
などの効果が期待できます。
これらの他にもフジバカマにはミネラルなどが含まれており、このフジバカマエキスが複合的に働くことにより、
- 血糖値を抑制する
- 通経作用といって月経不順を改善する
といった効果が期待できます。
そのため糖尿病の予防改善にも良いと言われています。
フジバカマ茶の副作用について
フジバカマに含まれるクマリンには肝毒性があります。
そのため長期的に使用を続けたり、大量摂取をすることは避けてください。
妊娠中及び授乳中の方に対しての安全性も証明されていませんので、使用は避けるようにして下さい。
さらに抗血栓薬を服用されている方はご注意下さい。
フジバカマの血液サラサラ効果で薬の作用を強めてしまう恐れがあります。
フジバカマ茶の味と香りについて
フジバカマ茶は桜餅の葉のような香りが最大の特徴です。
ふんわりと漂う特有の香りはバニラのような香りとも言われます。
そのため特に女性に好まれた歴史があり、かつては着物の袂に入れたり入浴剤にしたり、香草として用いられていたのだとか。
そして味の方ですが、フジバカマ茶を飲むと少々刺激的な苦みが広がります。
フジバカマ茶を美味しく飲む方法と作り方
フジバカマ茶を美味しく飲む方法をご紹介します。
基本の作り方
フジバカマの採取時期は8〜9月。
花が満開になる前のつぼみの状態で、地上部を収穫します。
収穫したらよく水洗いして、2日ほど天日干し。
すると特有の香りが出てきます。
その後場所を移して風通しの良い場所で陰干しし、完全に乾燥させましょう。
乾燥したフジバカマは数センチにカットすれば茶葉の出来上がり。
密閉容器に入れて乾燥剤と一緒に保管します。
お茶を淹れる際は煮出すのが一般的です。
薬効を重視する場合は茶葉の1日量を10gとし、400mlの水で半量になるまで煎じます。
健康茶として飲む場合は、茶葉の1日量は5g程度がおすすめ。
10分程煮出していただきましょう。
ブレンドティーレシピ
フジバカマ茶とのブレンドにおすすめの健康茶で「カキドオシ茶」をご紹介します。
フジバカマ茶と並んでこのカキドオシ茶にも血糖値を抑える働きがあるため、糖尿病対策にぴったり。
さらにはコレステロールを抑える、脂肪を減らすなどの嬉しいダイエット効果も期待できるブレンドです。
フジバカマ茶に合うお菓子、食事
フジバカマ茶は特有の甘い香りがリラックス効果を持つとも言われており、ゆったりとしたティータイムにぴったり。
お茶うけには和菓子などがよく合います。
例えばカステラなどのシンプルなお菓子を添えて、フジバカマ茶の香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
フジバカマ茶のオススメ入手法と買い方
フジバカマ茶を入手するにあたっては、
- 野生フジバカマを採取する
- フジバカマを苗から育てる
の2通りの方法が考えられます。
野生フジバカマを採取する
まずは自生しているフジバカマを採取して自家製で作るという方法。
関東以西にお住まいであれば、主に川岸の土手など少し湿気のある場所で自生するフジバカマが見られます。
写真でご紹介しております通り、夏から初秋にかけて咲く薄い赤紫色の小さな花が目印です。
ですが九州では、既に野生種は絶滅しているという情報も。
準絶滅危惧種に指定されていることを考えても、フジバカマを発見するのは少しハードルが高いかもしれません。
採取してからの作り方は前述の「基本の作り方」でご紹介しています。
宜しければ参考にしてみて下さい。
フジバカマを苗から育てる
フジバカマの苗を購入して育てるという方法もあります。
ところが「フジバカマ」や近縁種の「ヒヨドリバナ」などとして出回っているものは多くが園芸種になります。
薬草として用いられるフジバカマは学名「Eupatorium fortunei」。
あるいは「Eupatorium japonicum」です。
そしてキク科フジバカマ属(ヒヨドリバナ属)の多年草です。
学名で確認されるようにすると間違いありません。
フジバカマ栽培のポイントは下記の通りです。
- 植え付けは2〜3月が適期
- かなり日当たりの良い場所で育てる
- 乾燥しすぎない場所を好む
- 用土は草花用培養土を使うと便利
- 植え付け時に遅効性肥料を、その後も月1回肥料を与える
- 鉢植えの場合は毎日水やりをし、鉢底の皿に水を残す
- 庭植えの場合でも晴天が続いたら水やりをする
こちらに苗のネット通販をご紹介しておきます。
フジバカマ茶のまとめ
[box01 title=”フジバカマの要点 “]
- 優れた血液サラサラ作用を持つ
- 血栓防止やむくみ改善に効果的
- 糖尿病や月経不順の改善にも用いられる
- 肝毒性があるため長期的な常用や過剰摂取に注意
- 妊娠中、授乳中の方の使用は避ける
- 抗血栓薬を服用している方は注意する
- 桜餅の葉のような香りが特徴
- 糖尿病対策にはカキドオシ茶とのブレンドがおすすめ
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秋の七草に数えられるフジバカマですが、野生のフジバカマが激減しているとは悲しい事実でした。
栽培する場合の難易度は高くなく、むしろ初心者向き。
環境に上手く適応すれば勢いよく繁殖するので、沢山茶葉にできそうです。
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