マリーゴールドのうち、ハーブとして使われる種がカレンデュラです。キンセンカとも呼ばれます。
その花は月経不順や結膜炎、皮膚の傷や病気、やけど、喉の痛みなどを治療するために使われてきました。
ヨーロッパでは『貧者のサフラン』として食品の着色に使われたり、『太陽のハーブ』と呼ばれて皮膚の薬に使われたりして、古くから親しまれてきたハーブです。
この記事では
- カレンデュラティーの効果・効能について
- カレンデュラティーの正しい作り方やおススメ入手法
についてご紹介いたします。
カレンデュラティーの効果・効能について
主な有効成分について、表にまとめてみました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
ケルセチン | 抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用、強い血管弛緩作用 |
イソラムネチン | 抗炎症作用、抗酸化作用、皮膚を保護する |
ルテイン | 黄斑変性予防、白内障の予防 |
タラキサステロール | 抗アレルギー作用、抗酸化作用、抗炎症作用 |
トリテルペノイドサポニン | 収れん、抗炎症作用、肝臓保護作用、免疫調節作用 |
カレンデュラティーの効果・効能について、成分別に見ていきます。
ケルセチン
様々な健康効果を持つ、多くの植物に含まれる成分です。
その効果・効能から
- 鎮痛作用
- アンチエイジング
- 高血圧予防
- 血流改善
などの効果が期待されています。
イソラムネチン
化粧品などに皮膚保護を目的で配合されることがある物質で、ケルセチンが哺乳類などの体内で代謝されてできる物質でもあります。
- アンチエイジング
- ニキビなどの炎症を抑える
- 美肌効果
などの効果が期待されています。
ルテイン
キサントフィルという植物性色素の一種で、目の健康に関わります。
毎日適量を摂取することで、
- 視力低下を防ぐ
- 黄斑変性を予防する
- 白内障を予防する
効果があります。
タラキサステロール
植物性ステロールの一種で、様々な研究から
- 抗アレルギー作用
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
があることが知られています。
トリテルペノイドサポニン
サポニンのうち、とくに生物に影響する可能性のあるサポニンがトリテルペノイドサポニンに多いとされています。
収れん、抗炎症作用、肝臓保護作用、免疫調節作用が確認されていて、
- 滋養強壮作用
- 肝臓の機能を高める
- 炎症を鎮め痛みを止める
効果が期待されています。
その他に期待される効果・効能
他に、どの成分がどのように関わっているかはわかりませんが、
- コラーゲン産生刺激
- がん予防
- 生理不順改善
- 生理痛緩和
- 鎮静効果
- 頭痛緩和
- 皮膚・粘液の修復
- 十二指腸潰瘍や胃潰瘍を和らげる
- 心疾患予防
- 抗菌作用
- 抗真菌作用
- 抗寄生虫作用
- 免疫力向上
- 発汗作用
- 解熱作用
- 利尿作用
- 抗遺伝毒性作用
- 抗血栓形成
- 放射線療法における皮膚の副作用の緩和(塗ることによる)
- 鎮痙作用(PMS緩和にも関わる)
- 筋肉弛緩作用
- シワ防止
- 感染症の予防
- 血糖降下作用
などの効果があるとされています。
飲む以外のカレンデュラティーの使用法
カレンデュラティーは古くから使われてきたハーブです。
特に皮膚や粘膜に効果が高いので、ハーブティーとして抽出されても飲用以外の用途で広く使われます。
例として、
- 喉の痛みのためのうがい薬
- 歯茎や口内炎のための口内洗浄剤
- 炎症を起こした肌への湿布薬
- ウイルスなどの結膜炎の目の洗顔剤
- 水虫の足を漬けて真菌を殺す
- 日焼けした時の炎症止めとして湯船に入れる
- 痔の治療
- かぶれや虫刺されに塗る
- ニキビに治療薬として塗る
- フケ軽減のリンス
などがあります。
カレンデュラティーの副作用
カレンデュラはキク科の植物なので、ブタクサなどキク科にアレルギーのある人は飲用もその他の使用も避けるべきです。
また、月経促進作用があるとされているため、妊娠希望・妊娠中・授乳中の人は飲用を避けるべきです。
カレンデュラティーには筋弛緩能力があるため、鎮静剤と併用して飲用すると相互作用して過渡の眠気を引き起こす危険があります。
さらに、カレンデュラティーの血糖降下作用、降圧作用は糖尿病の薬や血圧の薬と相互作用して悪影響を及ぼす可能性があります。
カレンデュラティーには胆汁分泌促進作用がありますが、胆石があるなど胆嚢に障害を抱えていたり、あるいは胆嚢に影響がある薬を飲んでいたりしたら引用は避けるべきです。
カレンデュラティーの味と香り
ほんのりと甘いので、蜂蜜の香りと例える人もいます。
味は、少しのスパイシーさとほろ苦さを感じます。
非常に濃く淹れた場合、無糖のホットココアのような味に感じる人もいます。
甘みをつけたほうが飲みやすいのは確かです。
シングルハーブティーとしても飲めますが、ブレンドハーブティーも楽しめます。
カレンデュラティーをおいしく飲む方法と作り方
基本の作り方
熱湯カップ一杯(150~180ml)を大さじ1の乾燥カレンデュラに注ぎ、10~15分蒸らして完成です。
お好みに応じて蜂蜜などを加えてください。
オススメブレンドティー
シナモン | 風味が合い、血流改善作用を増強する効果が期待できます。 |
---|---|
バニラ | 風味が合います。 |
ラベンダー | 風味が合うだけでなく、カレンデュラの鎮静作用を増強します。 |
しょうが+蜂蜜 | 飲みやすくなるだけでなく、解熱や喉の痛みなどに役立ちます。風邪の時にオススメです。 |
ペパーミント | 風味が合うだけでなく、解熱にもよく効きます。 |
カレンデュラティーに合うお菓子、食事
カレンデュラティー自体は比較的さっぱりした飲み口なので、合わせにくい料理はあまりありません。
しかし、カレンデュラはエディブルフラワー(食用花)としても広く使われているので、どのように用いるかの例をいくつかご紹介いたします。
カレンデュラをまるごと摂取して、その効果・効能を期待してみるのも悪くありません。
スープに彩りや着色料として入れる
カレンデュラの花びらの黄色(カロテンが主体)が具として華やかにスープを彩ります。
ミルク系のスープやポタージュの場合は色素が溶け出て全体的に鮮やかな黄色に仕上がります。
もちろんポトフやチキンスープなどのシンプルなスープでもおいしいです。
カレンデュラ自体は若干の辛味(唐辛子に似ているとされます)がしますが、本当にわずかです。
パスタに彩りや着色料として入れる
これもカレンデュラの歯ざわりがよくおいしいです。
乾燥カレンデュラを使うのであれば事前に少量の水に浸して柔らかくして、できればその水ごと使うといいでしょう。
鶏や魚介類など、あっさり系のタンパク質と炒め合わせたパスタとして提供されることが多いですし、ナッツ系やオイル系のソースとももちろん合います。
ケーキの飾りや着色料として使う
カレンデュラをみじん切りにして生地に練り込んだり、生のカレンデュラを仕上げに乗せたりして使います。
蜂蜜の風味が強いケーキや、シナモンなどのスパイスを多めに使ったキャロットケーキには、とくにカレンデュラの風味が合うようです。
サラダに彩りとして入れる
これは生のカレンデュラしか使えません。
紫キャベツの千切りやレタス、ルッコラなどで作ったサラダの上にまんべんなくカレンデュラの黄色い花びらをまぶすと非常に綺麗で、また栄養も豊富になります。
変わったところでは、生春巻きのサラダに使ったりすると、生春巻きから黄色が透けてとても映えます。
カレンデュラティーのオススメの入手法と買い方
カレンデュラはポットマリーゴールドとして園芸店で売られていて、栽培しやすい品種ですが、すぐ使いたいならネット通販などで購入するのがお手軽です。
他にもAmazon、楽天に多数の出品があります。
まとめ
[box01 title=”カレンデュラティーの要点”]
- カレンデュラティーは皮膚・粘膜の健康を保ち、黄斑変性や白内障を予防する
- PMSや月経痛などの女性特有の悩みを軽減する効果もある
- 免疫力向上にも役立つ
- 皮膚・粘膜への効果が高いため、飲用以外にも塗布など様々な用途がある
- シングルハーブティーとして飲むこともできるが、甘くしたりブレンドしたりもおススメ
- エディブルフラワー(食用花)としての使用もおススメ
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カレンデュラはハーブティーとしてだけでなく、料理や塗り薬など活用することができる万能なハーブです。
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