セリは、日本全土の水田や沢などの水辺に自生するセリ科の多年草です。
正月七日に食べられる七草粥で有名な春の七草に数えられていたり、秋田県の郷土料理「きりたんぽ鍋」の具材に使われたりするなど、日本ではポピュラーな植物だといえます。
セリには独特の香りがあり、この香りには冷えを和らげる効果や発汗作用もあると期待されているんです。
この記事では、
- せり茶の効果・効能
- せり茶の正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
せり茶の効果・効能について
野菜のお茶であるせり茶には、いろいろな効果や効能があります。
茶葉を使っているわけではないので、ノンカフェインで体に優しいのもせり茶の長所ですね。
せり茶の主な有効成分と、その効果についてご紹介します。
精油 | 香りの成分。健胃効果や発汗作用など様々な効能がある。 |
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ビタミン | 抗酸化作用や美肌効果など様々な効果がある。 |
カロチノイド | 抗酸化作用があり、動脈硬化などの予防に効果的。 |
ミネラル | 骨や歯を作る必須栄養素のひとつ。 |
精油
セリ特有の香りには鎮静効果のあるオイゲノールという成分が含まれています。
このオイゲノールには鎮静効果だけでなく以下のようなあらゆる効果があります。
- 歯や歯茎の痛みの緩和、虫歯の治療や口臭の予防
- 感染症の予防や虫刺されの治療
- ニキビ治療
- ストレス緩和、記憶力アップ、うつ病などの不安障害の予防
- 胃や腸などの消化器官の働き改善
- 内臓を温める
- 中性脂肪や悪玉コレステロール値を下げる
- 糖尿病予防
- 抗炎症作用、咳やのどの痛みの緩和
- つわりや吐き気の軽減
- 抗酸化作用、がんなどの生活習慣病の予防
香りひとつとっても、これだけの効果が期待できるというのは素晴らしいですね。
内臓を温めるという効果は、胃腸などの冷えが改善されるほか、発汗作用にもつながります。
ビタミン
セリにはさまざまな種類のビタミンが含まれています。
- ビタミンB1……皮膚や粘膜の保持、脳や手足の神経の保持
- ビタミンB2……新陳代謝アップ、美容効果
- ナイアシン(ビタミンB3)……皮膚の機能を正常に保つ
- パントテン酸(ビタミンB5)……動脈硬化予防、ストレス緩和
- ビタミンB6……皮膚や粘膜の保持
- ビタミンC……抗酸化作用、美肌
- ビタミンE……抗酸化作用、老化防止
- ビタミンK……止血作用、骨粗しょう症予防
- 葉酸……貧血予防、赤血球の生成
以上はすべてセリに含まれているビタミン類です。
カロチノイド
これは主に脂溶性の色素です。
セリに含まれるのはカロチノイドの中でもβ-カロテンにあたります。
これは、体内でビタミンAという脂溶性のビタミンに変換されます。
抗酸化作用があるため、動脈硬化やがんなどの予防に適している成分です。
また、ビタミンAが不足することによって暗順応障害や夜盲症にかかるリスクが高まるので、β-カロテンの摂取はそういった視細胞の病気の予防にもつながります。
ミネラル
ミネラルはたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンと並ぶ五大栄養素のひとつです
セリには以下のようなミネラルが含まれています。
- マグネシウム……三大栄養素に作用するミネラル
- カルシウム……骨や歯を作る必須栄養素
- カリウム……ミネラルバランスを調整する
- リン……エネルギー代謝や脂質代謝に作用する、骨や歯を作る必須栄養素
- 鉄分……貧血予防、赤血球の構成
アメリカのある研究チームによると、マグネシウムやカリウム、カルシウムの摂取量が増えると脳卒中のリスクが低下するという研究結果が出ています。
せり茶の副作用について
せり茶には、特に注意するべき副作用はありません。
セリ自体に毒性はありませんが、セリと同じような生育条件でよく似た形状のドクゼリやキツネノボタンは、誤って飲んでしまうと最悪の場合死に至るほどの毒性を持っています。
知識のない方は、スーパーなどで市販されているセリを使うようにしましょう。
せり茶の味と香りについて
せり茶は人によってはクセがある感じです。
青々しく清爽な香りとスーッとするようなフレッシュな味が特徴です。
また、天然ものと栽培ものでは、多少味わいが違うとも言われています。
せり茶を美味しく飲む方法と作り方
せり茶を美味しく飲む方法についてお伝えします。
基本の作り方
セリはみじん切りにして、大さじ一杯ほど用意します。
熱湯を注いで、5分ほど蒸らせばせり茶の完成です。
オススメブレンドティー
セリはもともとが野菜ですので、似たような野菜とブレンドした野菜茶として飲むのがオススメです。
セロリときゅうりのアイスティー。
セリ、セロリ、きゅうりを細かく切り、水と一緒にミキサーにかけます。
最後にしっかり漉せば完成です。
青々とした味が苦手な方は、レモン汁などを足すと飲みやすいと思います。
せり茶に合う食事
せり茶は、和食であればどんな料理にも合うお茶です。
すっきりとした味なので、カツや天ぷらなどの揚げ物などとの相性もいいですね。
抗酸化作用や、貧血予防、骨や血管を丈夫にするなど、体にいいことづくめなので、是非、日々の食事に取り入れていきたいですよね。
せり茶のオススメ入手法と買い方
せり茶は、お茶用に販売されているものはほとんどありません。
自生しているセリを採取してくるか、市販のセリを買ってきて自身で煎じる方法が主流です。
また苗を買って育てる方法もあります。
セリの旬は冬から春にかけて採れる
川辺や田んぼの畔などに自生していることが多いです。
自生しているセリを採取する場合は、よく似たドクゼリやキツネノボタンと間違わないようにすることが重要です。
特に、ドクゼリは毒性が非常に強い植物です。
誤って服用してしまうと、痙攣や呼吸困難をはじめ、嘔吐、下痢、腹痛、めまいなどを引き起こし、最悪の場合、意識障害を起こし死に至ることもあります。
スーパーでは2~4月が狙い目
市販のセリは天然ものなら2月~4月くらいにスーパーや農産物直売所などで購入することが可能です。
この時期のセリは香りやアクが強いものが多いのが特徴です。
逆に、香りやアクが弱めの栽培ものは夏以外であれば同様にスーパーや直売所などで購入可能ですね。
セリを苗から育てる
セリは発芽率が低く、難しいため苗から育てるのがオススメです。
セリを育てるポイントは、
- 表面が乾いたらすぐ水をたっぷりあげる
- 半日日陰が望ましい
- 夏には株が蒸れないよう適度に間引く
など、乾燥や株の蒸れに注意すれば比較的育てやすい植物です。
まとめ
[box01 title=”セリ茶の要点”]
- セリは春の七草のひとつ
- ビタミンやミネラルが豊富
- 生活習慣病の予防にオススメ
- 貧血の予防に最適
- せり茶はセリを煎じて飲む
- 自分で採取する場合は毒草に注意
[/box01]
野菜を煎じたせり茶は、大きな副作用がなく体に優しい成分が豊富です。
鍋などにして食べるよりも手間がかからず、簡単に栄養を補給できるのがとてもいいですね。
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