ウツボグサ茶の効果・効能や味とは? 正しい作り方やおススメ入手法

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ウツボグサは、英名〝Self-heal〟(セルフヒール)といい、シソ科ウツボグサ属の多年草です。

原産地は東アジア〜日本列島ですが、ウツボグサの近縁種であるセイヨウウツボグサはヨーロッパ原産とされています。

別名に「夏枯草」(カゴソウ)というものがあり、実はこれが結構重要な名前です。

「夏枯草」という名前は、日本薬局方に入っているのです。
日本薬局方とは、厚生労働省が定めた医薬品の基準書のことです。

生薬という観点から見ると、ウツボグサという名前よりも夏枯草という名前の方で呼ばれることが多いようです。

この記事では、

  • ウツボグサ茶の効果・効能
  • ウツボグサ茶の正しい作り方やおススメ入手法

について詳しくご紹介します。

ウツボグサ茶の効果・効能


ウツボグサ茶はむくみ改善や、肝炎・腎炎・膀胱炎などに効果的です。

主な有効成分と、その効果について表にまとめました。

成分名 効果・効能
塩化カリウム 利尿作用、血圧を下げる、むくみ改善
タンニン 抗菌作用、抗ウイルス作用、収れん作用
ウルソール酸 抗炎症作用、血糖値の抑制、美白・美肌作用
オレアノール酸 抗炎症作用、老化予防、虫歯菌抑制
ルチン 抗炎症作用、血流を整える、血圧を下げる、動脈硬化予防、抗酸化作用、抗ガン作用

ウツボグサ茶の効果・効能について、成分別に詳しく見ていきます。

塩化カリウム

この成分は、体内にカリウムを補充するのに役立ちます。

  • 利尿作用があり、体内の尿を出やすくする
  • 体内の塩分を排出して、高血圧やむくみを改善する

などの効果が期待できます。

タンニン

これはポリフェノールの一種で、お茶の渋みの元となっています。
細胞や粘膜を引き締める収れん作用や、抗菌・抗ウイルス作用もあります。

  • のどの痛みや扁桃炎を緩和する
  • 収れん作用で腸の粘膜を整え、下痢を和らげる

といった効果が期待できます。

ウルソール酸

これはりんごの皮にも多く含まれている成分で、トリテルペンの仲間です。
この成分も抗炎症作用を持っており、そのほかにも

  • 血糖値やコレステロール値を下げる
  • 化粧品として使うと美白作用やシワ、ほうれい線を改善する

といった効果が期待できます。

また筋力をアップし脂肪を減らす働きについても分かってきています。
しかし抽出が難しく、吸収率も悪いという厄介な性質を持っています。

オレアノール酸

これは前のウルソール酸と同じく、トリテルペンの仲間です。
抗炎症作用のほか、アンチエイジングや虫歯菌を抑制する効果も期待されます。

ルチン

これはフラボノイド系ポリフェノールの一種です。

  • 抗炎症作用を持ち、身体の様々な炎症を緩和する
  • 血流に有効に働き、高血圧や動脈硬化を予防する
  • 抗酸化作用、抗ガン作用で身体を健康に保つ

などの効果が期待できます。

それぞれの成分の働きを詳しく見てきました。

これらの成分が持つ利尿作用、抗炎症作用、抗菌作用などが複合的に作用することにより高い相乗効果が得られます。

ウツボグサ茶はむくみ改善や口内炎、扁桃炎、肝炎、腎炎、膀胱炎など様々な炎症に高い効果が期待できます。

ウツボグサ茶の副作用について


ウツボグサはタンニンを多く含んでいます。
タンニンは、前述の通り良い働きも持っていますが、摂りすぎると胃を刺激してしまいます。

そのため胃が弱い方は注意が必要です。
1杯飲んだら時間をあけるなどして、飲みすぎないようにして下さい。

それから貧血で鉄剤を服用されている方もご注意下さい。
タンニンは鉄剤の吸収を阻害する性質があるためです。

鉄剤を飲んだら30分ほどあけてからお茶を飲むようにすると安心です。

ウツボグサ茶の味と香りについて


ウツボグサ茶は苦味と辛味をあわせ持っています。
苦味の中に、ピリッとスパイシーな辛味を味わうことができます。

香りを嗅ぐと、畑にいるような香りがします。
「土っぽい香り」という意見も見られます。

ですが全体としてはそれほど強い風味や刺激があるわけではなく、比較的飲みやすいお茶ですよ。

ウツボグサ茶を美味しく飲む方法と作り方


ウツボグサ茶を美味しく飲む方法をご紹介します。

基本の作り方

ウツボグサ茶で使う植物の部位は花穂です。
花穂を乾燥させ刻んだものが市販されていますので、それを使って作ると良いでしょう。
(入手方法について詳しくは後述します)

茶葉は火にかけて煎じるのが一般的です。
少し煮詰めますので、2,3杯分をまとめて作ると良いでしょう

分量は水600mlに対して、茶葉を10g位入れます。
グツグツと煮詰めてお茶が400〜500mlに減ってきたら茶こしで漉して出来上がりです。

オススメブレンドティー

ウツボグサは、香ばしい「ハトムギ」とブレンドすると飲みやすくなります。

ハトムギは麦茶と似て香ばしくスッキリとした味わい。
日本人にはおなじみの味ですね。

では麦茶じゃダメなのかと言われそうですが、もちろん麦茶も合います。
少し変わったところでオススメしてみました。

またハトムギにも、身体の巡りをよくして老廃物の排出を促す作用があります。
ウツボグサの利尿作用との相乗効果も期待できますよ。

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ウツボグサ茶に合うお菓子、食事


苦味の中にピリッとした辛味がアクセントとなっているウツボグサ茶。
和菓子との相性が良いですが、中でも「あられ」「おかき」などは良く合います。

しょうゆ味や塩味、のり巻きなど色々な種類がありますが、どれも基本的に甘ったるさがありませんね。
サクサクっとあっさりしているのが特徴です。

皆さんおなじみの「柿の種」も、あられやおかきの仲間ですよ。

ウツボグサ茶のオススメ入手法と買い方


ウツボグサ茶を入手するには

  • ウツボグサ(カゴソウ)の茶葉を購入する
  • ウツボグサを苗から育てる

の2通りの方法があります。
いずれもネット通販での購入が可能です。

ウツボグサの茶葉を買う

ウツボグサの茶葉は「夏枯草」(かごそう)という名前で多く流通しています。
漢方薬や生薬の取扱い店で、生薬として入手することができます。

一例として、ネット通販での取り扱いを何点かご紹介します。


ウツボグサを育てるなら品種をしっかり確認

ウツボグサは、初心者でも比較的簡単に栽培することができます。
庭植えのほか、鉢植えやプランター栽培も可能です。

ところでウツボグサには様々な品種があります。
例えば、日本固有種のタテヤマウツボグサ(Prunella prunelliformis)。
こちらは薬用には使われない品種とされています。

ですので苗を購入する際は、品種をしっかり確認しましょう。
ここで言うウツボグサとは

  • ウツボグサ(Prunella vulgaris subsp. Asiatica)
  • セイヨウウツボグサ(Prunella vulgaris subsp. Vulgaris)

この2種類となります。

また薬効を重視したい方は、しっかりと量を飲む必要があります。
そのような場合は、市販の茶葉を購入される方が確実です。

ウツボグサ栽培のポイントは以下のとおりです。

  • 日当たりと風通しの良い場所を好む
  • 水はけの良い肥沃な土壌を好む
  • 肥料は少なめでOK
  • 植え付けは2〜3月または9月頃に行う
  • 開花期の5月~7月に花穂が茶色くなったら刈り取り乾燥させる

苗のネット通販を一例としてご紹介しておきます。

まとめ


[box01 title=”ウツボグサ茶の要点”]

  • 高い利尿作用と塩分排出で高血圧やむくみを改善する
  • 抗炎症作用に優れ、口内炎、扁桃炎、肝炎、腎炎、膀胱炎などを改善する
  • 血糖値やコレステロールの抑制などアンチエイジングにも期待される
  • 血流を整えたり、抗酸化作用や抗ガン作用を持つ成分も含まれる
  • 胃の弱い方、鉄剤を服用している方は注意が必要
  • 苦味の中に、ピリッとスパイシーな辛味が特徴
  • ウツボグサ茶は煮詰めて作る
  • 苗を購入する際は品種をしっかり確認する

[/box01]

植物としてのウツボグサ、西洋ではセルフヒール、そして生薬としてはカゴソウと、場面によって名前を変えるハーブであることが分かりました。

ハーブは薬ではないとされていますが、カゴソウは日本薬局方にも入っている生薬ですので薬効も折り紙つきですね。

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