フキはキク科フキ属の多年草です。
北海道から沖縄まで日本全土に自生していて、おもに水気が多くて風が強くない土地を好みます。
山の斜面や沢、川岸や林の際などの他にも、河川の土手や用水路の周辺に生えているのが見掛けられますね。
私たち日本人にとって身近な存在でもあるフキは、古来より民間薬としても利用されてきました。
フキノトウを煎じたものには咳止めや去痰の効果があり、胃腸も健康にするとされてきました。
フキの葉や根、茎などには解毒作用があるとされ、打ち身の湿布や蛇にかまれた傷の手当てにも使われていました。
この記事では、
- フキの葉茶の効果・効能
- フキの葉茶の正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
フキの葉茶の効果・効能
フキの葉茶の主な成分についてお話します。
成分名 | 効果効能 |
---|---|
クロロゲン酸 | 抗酸化作用、糖尿病のリスクを低減 |
フキノール酸 | 鎮咳作用、花粉症対策 |
β-カリオフィレン | ホルモンバランスの安定、ストレス緩和 |
ミネラル類 | 高血圧防止、精神の安定 |
ビタミン類 | 抗酸化作用、新陳代謝アップ、皮膚や粘膜の保持、抗ヒスタミン |
食物繊維 | 便秘解消、整腸作用 |
クロロゲン酸
コーヒーにも入っているポリフェノールの一種。
細胞の老化を防止してくれる抗酸化作用に優れているので、アンチエイジングや生活習慣病の予防効果があります。
また、クロロゲン酸は、糖質分解酵素の働きを阻害するので、血糖値が上がるのを防ぎ、糖尿病のリスクを低減させてくれます。
フキノール酸
これは、フキ特有の成分です。クロロゲン酸と同じポリフェノールで、抗酸化作用に優れていています。
- メラニンを抑えてシミやそばかすなどを防ぐ
- 細胞の老化を防ぐことでボケ防止
- 咳を鎮める鎮咳効果
などの効果が期待されています。
β-カリオフィレン
これはホルモンバランスを安定させてくれる成分です。
女性特有のPMS(月経前症候群)や、月経不順、月経困難症などはホルモンバランスの乱れが原因ともされていて、これらの症状へ優れた効果を発揮します。
また、ストレスを緩和してくれるので、気分が落ち着かない時などに摂取したい成分です。
ミネラル類
フキに含まれるミネラルは、主にカリウムやカルシウムがあげられます。
カリウムは、体内のナトリウム量を調節してくれる働きを持つので、高血圧を予防する効果が期待できます。
カルシウムは骨や歯を作り、丈夫にする成分であることは皆さんもご存知だと思います。でも、それだけではなく、神経系に作用する働きがあり、精神を安定させる作用が期待されます。
ビタミン類
フキに含まれるビタミン類には、新陳代謝をアップさせて美容効果があるビタミンB2や、皮膚や粘膜の保持をしてくれるビタミンB6などのビタミンB群があります。
また、ビタミンPのひとつであるケルセチンもはいっています。
この成分は、抗酸化作用のほか、アトピー皮膚炎や花粉症、気管支ぜんそくなどを引き起こすヒスタミンを防ぐ抗ヒスタミン作用があります。
そして体内でビタミンAに変わるカロテンは、強い抗酸化作用を持ち、動脈硬化やがんの予防も期待できます。
食物繊維
これには、胃や腸の水分を吸収して膨らむことで腸を刺激し、便通を促進する作用があります。また、第腸内で発行や分解がされると、ビフィズス菌などが増えるので腸内環境がよくなります。
便秘の解消や、それによるデトックス効果も期待ができますね。
その他の効果・効能
上記の他にも、フキの葉茶には以下のような効果が期待できます。
- コレステロール低下
- 疲労回復効果
- 貧血予防
- 消炎作用
- 浄血作用
- 片頭痛予防
古来より、フキは民間薬として鎮咳作用、去痰作用、健胃効果があるとされていました。打ち身の湿布や、蛇などにかまれた傷の手当なども含め、解毒作用も証明されています。
ストレス社会である現代では、それ以外にもストレス緩和や片頭痛の予防、PMSへの卓効など昔は使われなかったような作用も期待できますね。
フキの葉茶の副作用について
フキ茶には特に大きな副作用はありません。
しかし、フキはキク科の植物ですので、ヨモギやブタクサなどキク科の植物に対するアレルギーのある方は注意が必要です。
また、カフェインは含まれないので、妊娠中や授乳中でも飲んでいただくことは可能です。
しかし、妊娠中の体調の変化でアレルギーを起こす場合や、お子様にキク科アレルギーがある可能性もあるため、念のために医師に確認してから飲むようにしましょう。
フキの葉茶の味と香りについて
フキの葉茶はほろ苦く、独特の香りがあります。
飲み口はすっきりしていますが、青臭さが気になる場合は作る前に焙煎すると独特に香りがだいぶ和らぎます。
フキの葉茶を美味しく飲む方法と作り方
フキの葉から茶葉を作る方法と、基本的な作り方についてご紹介いたします。
茶葉の作り方
- フキの葉は毎年9月頃に採取します。
- これをしっかりと洗って、ザルに並べ、天日干しをします。
- しっかりと乾燥したら、はさみで細かく刻みます。
- 清潔なビンなどに入れて保管します。
お茶の青臭さが気になる場合は、フライパンなどで5分ほど乾煎りすることで臭みが和らぐので、ビンに入れる前に乾煎りを済ませてしまってもいいですね。
基本の作り方
茶葉をひとつかみ、熱湯で5分ほど蒸らせば出来上がります。
量や時間は、あくまで目安ですのでお好みで調節してみてください。
オススメブレンドティー
苦みと独特の香りを持つフキの葉茶は、香りのすっきりとした玄米茶などとのブレンドがオススメです。
フキの葉茶に合うお菓子、食事
日本人になじみの深いフキで作られたフキの葉茶には、やはり和食が合います。
苦みがあるので、煮物などの少し甘みのあるおかずと合わせるのがいいでしょう。
フキの葉茶のオススメ入手法と買い方
フキの葉茶は自治体などで商品化しているものもありますが、インターネットなどで購入できるページはありません。
直接、取り扱っている自治体に問い合わせるほか、前述の方法でフキの葉から茶葉を作る方法があります。
フキの葉は、時期によってはスーパーや市場などで入手できます。
インターネットでも販売している業者がありますが、こちらもほとんどが時期を限定しているものなので、すぐにというのは難しいようです。
フキの葉茶を取り扱っている自治体と、フキの葉を販売している業者をそれぞれご紹介いたします。
秋田ふき粉会
秋田ふきを粉状にした「秋田ふき粉」や、ティーバッグタイプのフキの葉茶「秋田ふき茶 翠雨-SUIU-」を取り扱っているようです。
まとめ
[box01 title=”フキの葉茶の要点”]
- フキは日本全土に生息している
- 抗酸化作用に優れている
- 花粉症の予防に効果が期待される
- ホルモンバランスを整えてくれる
- キク科アレルギーがある方は注意が必要
- ほろ苦く、独特の香りがある
- 入手難易度は少し高め
[/box01]
フキは、国内のいたるところに自生していますが、時期が限られるため、逃してしまうと入手が困難になってしまいます。
入手難易度は高く苦みもありますが、高い抗酸化作用や花粉症などの予防、豊富な食物繊維など体にいい効果がたくさんあります。
機会があればぜひ、フキの葉茶を作って飲んでみてくださいね。
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