マーシュマロウという、粘膜の保護に役立つハーブをご紹介します。
マーシュマロウは和名「ウスベニタチアオイ」といい、地中海沿岸部原産、アオイ科タチアオイ属の多年草です。
成長すると高さ2メートルにもなり、人間よりも大きくなります。
夏の終わり頃になると、薄ピンクの花を咲かせます。
ところでこの名前、お菓子のマシュマロと似ていますよね。
昔はマーシュマロウの根が、お菓子マシュマロの原料として使われていたようです。
つまり、マーシュマロウの根には、甘い糖分が含まれているのです。
この記事では、
- マーシュマロウティーの効果・効能や副作用
- 正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
マーシュマロウティーの効果・効能
マーシュマロウティーは「粘膜の保護効果が高い」ことが分かっています。
数あるマロウの仲間の中でも、粘液質を最も豊富に含んでいるのです。
マーシュマロウの効果効能について、もっと詳しくみてみましょう。
主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
粘液質 | 粘膜保護作用、鎮痛作用、抗炎症作用 |
ペクチン | 整腸作用 |
クエルシトリン | 抗炎症作用、血圧調整作用 |
タンニン | 収れん作用、下痢を抑える |
フェノール酸 | 消化器系の改善 |
マーシュマロウティーの効果・効能について、成分別に見ていきましょう。
粘液質
主に多糖類からなる物質です。粘り気を出す元となっています。
粘膜を保護し、痛みを和らげる働きがよく知られています。
- 消化器系の胃腸炎などを改善する
- 呼吸器系の気管支炎などを改善する
- のどの痛みや口腔内の炎症をしずめる
といった効果が期待できます。
ペクチン
水溶性の食物繊維です。
腸にいる善玉菌のエサになります。
- 便秘を緩和し、お通じを良くする
- 腸内フローラを活性化させ、腸内環境を整える
などの効果が期待できます。
クエルシトリン
ドクダミに多く含まれることで知られる成分です。
フラボノイド系ポリフェノールの仲間です。
- 抗炎症作用で、弱った胃腸の炎症を抑える
- 血圧調整作用で、高血圧を改善する
といった効果が期待できます。
タンニン
ポリフェノールの仲間で渋みの元になっています。
収れん作用という、引き締め効果を持っています。
・腸の粘膜に作用して、下痢を抑える
このような効果に加えて、前述のペクチンとの相乗効果で
・腸の調子を整え、下痢も便秘も解消する
といった、高い効果が期待できます。
フェノール酸
この成分もポリフェノールの一種です。
主に消化器系の不調にアプローチすることが知られています。
マーシュマロウティーの副作用について
マーシュマロウティーは、医薬品を服用される方は注意が必要です。
薬の吸収を妨げる働きがあるからです。
医薬品の服用と同時にお茶を飲むのは避けるようにします。
- 薬を飲んだら、1時間以上あけてお茶を飲む
- お茶を飲んだら、数時間以上あけて薬を飲む
このように、薬とお茶は時間をあけるようにしましょう。
その他は特筆すべき注意事項はありません。
適量であれば安心して楽しむことができます。
マーシュマロウティーの味と香りについて
マーシュマロウティーの味はまろやかです。
かつてマシュマロの原料にも使われた甘みを持っていますが、植物由来のほんのりとした甘みです。
香りの方はほとんどありません。
また、粘液質を豊富に含むためトロみが出るのが特徴です。
一般的に、マーシュマロウティーと言えば根の部分を使用しますが、リーフ(葉)のドライハーブも市販されています。
こちらは草原のような爽やかな味わいとなっています。
マーシュマロウティーを美味しく飲む方法と作り方
マーシュマロウティーを美味しく飲む方法をご紹介します。
基本の作り方:煮出す方法
ハーブティーで使用するのは、マーシュマロウの根の部分です。
葉のハーブよりも、抽出に少し時間をかけるようにするのがポイントです。
まず、マーシュマロウをスプーン山盛り1杯と、水をカップ1杯半で火にかけます。
沸騰したらそのまま静かに煮出します。
煮出す時間はお好みで、5分位で様子を見ます。
長く煮ていると、トロみが出てきます。
基本の作り方:お湯で作る方法
煮出しをしなくても、お湯で作ることも可能です。
ライト感覚がお好みであれば、こちらの方法がオススメです。
ティーポットにマーシュマロウをスプーン山盛り1杯入れ、カップ1杯の熱湯を注ぎます。
ポイントは以下の2点です。
- 沸騰したての熱湯を使うこと
- 蒸らし時間は長めに5分位とること
蒸らし時間を長めに取って、しっかり抽出するようにしましょう。
咳止めに効果的な作り方
咳止めに効果的な作り方として、水出しで作る方法があります。
小さじ1杯の根(大さじ1杯の葉でも良い)に、カップ1杯の水を入れます。
時々かき混ぜながら、1時間以上おいて水出しします。
じっくり時間をかけることで、より多くの成分が抽出できるとされています。
咳が気になる時に飲むと効果的です。
ブレンドティーレシピ
マーシュマロウは甘みがあるので、ブレンドティーでも色々なバリエーションが楽しめます。
今回ご紹介するブレンドティーは、「ジンジャー」と「シナモン」とのブレンドです。
・ジンジャー(スプーン1/2杯)
・シナモン(スプーン1/2杯)
・マーシュマロウ(スプーン1/2杯)
これらをティーポットにブレンドして、熱湯を注いで作ります。
マーシュマロウの甘みをベースとして、ジンジャーの辛みが加わります。
さらにシナモンのスパイシーな香りがアクセントになって飲みやすくなるはずですよ。
マーシュマロウティーに合うお菓子、食事
マーシュマロウティーは粘膜を保護する優しい飲み物です。
一緒に食べるものは暖かい汁物にすると胃腸にも優しいですね。
オススメする食べ物は、「野菜や卵の入ったうどん」や、「コトコト煮込んだポトフ」などです。
前述のブレンドティーでも、身体を温めるジンジャーをおすすめしました。
うどんにも身体を温めるねぎを入れましょう。
ポトフは沢山の野菜が取れますし、煮込んでいるので消化も良いですよ。
マーシュマロウのオススメ入手法と買い方
マーシュマロウティーを入手するにあたっては、
- マーシュマロウのドライ(乾燥)ハーブを買う
- マーシュマロウを苗から育てる
の2通りの方法があります。
いずれもネット通販での購入が可能です。
マーシュマロウのドライハーブを買う
マーシュマロウのドライハーブは、ハーブ専門店にて入手できます。
一般的にマーシュマロウのハーブと言えば、根の部分を指します。
今回は、根のハーブのネット通販での取扱いを一部ご紹介します。
葉のハーブも取り扱っているお店がありますが、効能面で考えると根のハーブがオススメとなります。
マーシュマロウを苗から育てる
実はハーブティー用のマーシュマロウは、ドライハーブで購入される方がオススメです。
その理由は、3点あります。
- 背丈が2メートルにもなる為、手軽な鉢植えとはいかない
- 使用する部位が根なので、葉のように気軽に収穫ができない
- 結局は根を乾燥させて使う為、葉のフレッシュハーブのような生の醍醐味を味わうことができない
ですが広いお庭をお持ちの方などは、栽培しやすい環境とも言えます。
庭植えを試してみても良いかもしれません。
マーシュマロウ栽培のポイントを以下に挙げておきます。
- 水はけが良く、湿り気のある土を好む
- 日当たりと風通しの良い場所を好む
- 苗の植え付けは春か秋に行う
- 元肥に緩効性化成肥料を使用する
- 成長期に緩効性肥料を置き肥、または液体肥料を足す
- 庭植えの場合、水やりはほとんど必要なし
- ハマキムシなどの害虫は早めに見つけて駆除する
- 開花期の過ぎた秋頃に根を掘り出して収穫する
苗のネット通販を一例としてご紹介しておきます。
マーシュマロウティーのまとめ
[box01 title=”マーシュマロウティーの要点
“]
- 消化器系・呼吸器系の炎症を改善する
- のどの痛みや口腔内の炎症にも効果的
- 腸の調子を整え、下痢にも便秘にも効果的
- 医薬品との併用には注意する
- ほんのりした甘みとトロみが特徴
- 根を使うので、抽出には少し時間をかける
- ジンジャー・シナモンとのブレンドがオススメ
- ハーブ専門店にてドライハーブの購入がオススメ
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マーシュマロウは、粘膜を保護する高い薬効があることが分かりました。
甘みがあり扱いやすいので、カモミールなど色々なハーブとブレンドして楽しんでみて下さいね。
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