サポナリア(ソープワート)の特徴&効果効能 ハーブの使い方や育て方も徹底解説!

ハーブティーコラム
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サポナリアは別名「ソープワート」とも言われていて、主に南ヨーロッパなどの地域でが自然に生育しています。
白・淡桃色の花を6~8月頃に咲かせ、上品な芳香が漂います。
花が咲いている期間が長いため、ガーデニングの定番の彩りとしてとても人気が高い花です。

サポナリア属に分類されるのは20~30種。
その中でも代表的な種類が「サポナリア・オフィシナリス」ですが、日本国内では和名の「シャボンソウ(サボンソウ)」の方が一般的に知られています。

ヨーロッパでは薬用植物として昔から扱われてきたという歴史がありますが、今では飲料・食用に使われることはほぼありません。

それは、サポナリアに含まれる成分が人間にとって有毒であることがわかったからなのです。

昔は薬用植物(ハーブ)としてハーブティーや飲料として扱われていたサポナリアが、現在ではガーデニングの定番のひとつなった理由とは何なのでしょうか?

この記事ではサポナリアについて、特徴・効果や育て方などについて詳しく説明していきますね。

サポナリア(ソープワート)の特徴・効果


まず初めにサポナリアの特徴・効果から説明していきますね。

特徴について

草丈は50cm前後が多く、種類や株の大きさによって5cmのものから1m程度まで育つものもあり、とても幅広いです種類がある花です。

サポナリアは地下茎を外側へと広げ、伸ばしていく宿根草で多年草のひとつです。
宿根草というのは毎年花が咲く草花や球根植物のこと。
ポピュラーな宿根草だとチューリップやユリ、桔梗などがわかりやすいですね。

時期が来ると枯れますが、根が残っているので生育の季節になればまた花が咲きます。
そのため毎年植え替えの必要がなく、耐寒性が高いことから手間が少なく、初心者にも育てやすい花なんですよ。

効果について(サポニン・サポブラニンについて)

サポナリアの一番の特徴と言えば、全草にサポニン(サポナリン)根にはサポブラニンという成分が含まれ、汁がでるくらい揉むと泡立つところからきています。
「サポ」は石鹸という意味があり、別名のソープワートの「ソープ」も同じ理由ですね。

そう、この「サポニン」「サポブラニン」という成分が有毒だということがわかったため、現在では飲料・食用としての扱いをされることがなくなっていったのです。

ですので一般家庭でのハーブティーでの飲料、茎などの食用は極力避けるようにしましょう。

サポナリア(ソープワート)の種類について


サポナリア属の中でシャボンソウが代表的だとされているのには理由があります。
根の性質が強く、古く日本に導入されて以来各地で野生化しているからです。
もしかしたら何気なく見かけているのかもしれませんね。

サポナリア属の中でもポピュラーな種類を紹介していきます。

サポナリア・オフィシナリス
(Saponaria officinalis)
淡桃色・和名:シャボンソウ
・一重咲き
・日本で野生化している一般的な種類
ルブナ・プレナ
(Saponaria officinalis ‘Rubra Plena’)
濃紅色・八重咲き
・ガーデニング向き品種
ロゼア・プレナ
(Saponaria officinalis ‘Rosea Plena’)
淡桃色・八重咲き
・花の大きさが3~4cmぐらいになるボリュームがあるため切り花向き
オキモイデス
(Saponaria ocymoides)
桜色・和名:ツルコザクラ
・小さな五花弁の花を咲かせる
・成長が早い
・花弁が白い種類はスノーチップ(‘Snow Tip’)という
・他にも大輪種などの変種がある
アルバ・プレナ(Saponaria officinalis ‘Alba Plena’)白色・別名:ベティ・アーノルド(‘Betty Arnold’)
・八重咲き
・茎がしっかり立つため清楚な印象
・切り花向き

サポナリア(ソープワート)の育て方について


サポナリアは比較的育てやすく初心者でもチャレンジしやすいハーブです。
日本で古くから親しまれているのもうなづけます。

ここでは育て方について詳しく説明しますね。

育て方

種まき、株分け

  • 時期
    3~5月の春ごろ
    種でも株でもしっかり育ってくれます。

  • プランター、植木鉢などで大丈夫ですが、根がすぐ大きくなる植物のため大きめのもの。かつ根腐れを防ぐため、水はけがいいものを選びましょう。

環境

  • 日当たりが良いところを選ぶ
    日が当たらないとすぐ枯れる、といったことはありませんが花付きが悪くなるため極力避けてください。
  • 寒さ対策
    冬前になると枯れ始めますが、根の状態で冬を越す準備をしています。
    耐寒性があり、マイナス15度程度まで耐えられますので平地ならば防寒対策は必要ありません。
  • 水やり
    水はけが程よい土を好みますので、過剰に水やりをしなくても問題ありません。
    土が乾いていたら根腐れしない程度にあげましょう。
    頻度は3~5日に一回程度が目安です。」
  • サポナリアだけの鉢にする
    地下茎の繁殖力が強いので、他の植物の生育範囲を侵してしまいます。
    一緒の植木鉢に植えないように気を付けましょう。
  • 植え替え
    庭植えの場合は数年そのまま植えっぱなしで大丈夫です。
    ただ、不要な地下茎は定期的に抜いていきます。

鉢植えだと土の中で混みあったり、根詰まりしたら大きい鉢に植え替えたり間引きや株分けをして整理しましょう。

ハーブとしての使い方について


現在ではガーデニング用の園芸品種として栽培されていますが、当初日本に入ってきたときは薬用植物として扱われていました。

サポナリアの一番の特徴として、草にはサポニンという成分、根にはサポブラニンという成分を持っています。
この草・根・茎を煮出した液体が石鹸やシャンプーとして使われてきました。

現在でも、自然由来の成分により、生地を傷めにくいことから博物館や骨董などの年代物の繊維製品を洗うのに使われているそうです。
他にも石鹸やシャンプー、洗剤の成分として配合されていたりと古来からの使われ方は残っています。

サポナリア(ソープワート)の注意点

  • 根には有毒な成分が含まれている場合もあるので口にしないよう気を付けましょう。
  • 咳止めなどに効果があるとされていますが、現在ではほぼ飲料で使用されることはないため、ハーブティーとしての使用は避けた方がいいでしょう。
  • 「サポナリア・バッカリア」と呼ばれていたドウカンソウという植物は、“サポナリア”の名前で流通していますが、現在は別属のバッカリア属に分類されているため注意しましょう。
  • 洗剤、せっけんとして使う場合は肌に合わない場合もあるため、必ずパッチテストを行ってから使用してください。また、煎液は多少色がついており色味の薄めの生地のものは色うつりする可能性があるため避けた方が無難です。

サポナリア(ソープワート)のオススメ入手法


サポナリア(ソープワート)は繁殖力が高いため、日当たりと水はけが良い場所ならアスファルトの隙間からでも育つと言われています。
そのため、種、苗いずれから育てても花が咲きやすい植物なので初心者向きですね。

入手方法ですが、サポナリアの種類によって花屋かガーデング専門店か分かれます。
ざっくりというと、切り花に向いている種類は花屋、背丈が小さいものはガーデニング用に置いてあることが多いです。

ただ、植物のため時期によって入手が難しい場合があるため注意です。
種だけでなく、苗でも販売しているので直接お店に足を運んで問い合わせをした方が確実です。

ご参考としてネット通販での取り扱いを種と苗それぞれご紹介いたします。
(売り切れの場合があります。ご了承くださいませ。)



サポナリア(ソープワート)のまとめ


[box01 title=”サポナリア(ソープワート)の要点”]

  • せっけん(サポ)という意味の通り、昔から洗剤やシャンプーとして使用されてきた
  • 現在ではガーデニング用としての比重が大きい
  • サポナリア属として種類は20~30種類ある
  • 野生化するほど繁殖力が強いため、園芸用として育てやすい

[/box01]

当初は薬としての扱いだったサポナリア。
それがガーデニング用になったのは、愛でるに値するほど可愛らしい花を咲かせていたからでしょう。
結果的に今では観賞用として一般的になりました。

また、石鹸として使うことが出来る植物なんて中々珍しいですよね。
人に伝えて「へぇ~!」と言わせたい知識です。

この極端な二面性が魅力のサポナリアは野生化して咲いていることもあります。
今度散歩するときにぜひ探してみてくださいね。

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