日本茶を入れる時に使う茶器について

日本茶の入門講座
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[chat face=”chap1.png” name=”茶ルパカ博士” align=”left” border=”green” bg=”green”]美味しい日本茶を飲むためには、茶葉はもちろんのこと、急須などの茶器もとても大切。 [/chat]
適当に選んだもので淹れると、お茶の味が変わってしまったり、上手く注げなかったりする場合があります。

せっかくの高級茶がまずくなったり、おもてなしに失敗することのないよう、茶器にもこだわって選んでみましょう。

この記事では、

  • 日本茶に使う茶器の種類
  • 茶器の素材とお茶の味の変化
  • 急須の選び方

についてお伝えします。

美味しい日本茶の選び方については以下の記事でご紹介しています。

日本茶に使う茶器の種類

始めに、日本茶を淹れる際に使う茶器の種類をご紹介します。

日本茶に使う茶器とその用途を表にまとめました。

名称 用途
茶筒 茶葉を保存する
茶合 茶葉を計る
急須 お茶を煮出し注ぐ
湯呑茶碗 お茶を飲むための器
茶托 茶碗の下に敷く

それぞれの茶器について、詳しく見ていきます。

茶筒

茶筒とは、茶葉を保存するための筒型の容器のこと。
密閉することで茶葉の劣化を防ぎ、美味しさを保ちます。

茶合

茶合とは、茶葉の量を計るためのもの。
「茶量」、「茶計」などとも呼ばれます。
煎茶用は竹を二つに割ったもの、抹茶用は桜の木を椀型にしたものを用いるそう。

近年は、スプーンタイプの「茶さじ」を使うことが多くなっています。

急須

急須とは、お茶を煮出して注ぐための容器。

急須は素材も形状も様々なタイプがあり、お茶の味に大きく関わる重要な茶器です。
選び方のポイントを記事の下方でご紹介しています。

湯呑茶碗

湯呑茶碗とは、お茶を飲むために使う器のこと。

湯呑には様々な形をしたものがあり、形別に特徴や用途が異なっています。

基本的な湯呑は、縦に長い筒型で持ち手がないもの。
また、自分用として使用するものを指します。

その他にも以下のような湯呑があります。

汲み出し茶碗

高さは低く横長で、飲み口が広いのが特徴。
玉露や高級煎茶の他、昆布茶や桜湯などを淹れるのが一般的とされています。
主に来客用として出すものです。

フタつき湯呑

茶碗の上にフタが乗ったもの。
保温性に優れており、お茶が冷めにくいのが特徴。
来客時などの改まった席に用いられます。

茶托

茶托は、茶碗の下に敷く受け皿のこと。

必ずしも必要なものではなく、来客があった時などのおもてなしの席で用いられます。

茶器の素材とお茶の味の変化について

茶器は、陶器や鉄器など様々な素材で作られています。
その中に、お茶の味を変えてしまう素材が存在するのを知っていますか?

せっかく高い茶葉を買ったのに、なんだか美味しくない…。
そうならないように、素材ごとの特徴を知っておきましょう。

素材別の特徴と代表的な産地をご紹介していきます。

陶器・炻器

急須の中で最も人気があるのが陶器・炻器の急須です。

吸水性があり、原料の土に含まれるミネラルがお茶の渋み成分タンニンを減らし、まろやかな味になるのが特徴。

しかし、ミネラルの種類によっては逆にお茶がまずくなってしまう場合もあります。
こればかりは、飲んでみないと分からないというのが正直なところ。

知名度№1の愛知県・常滑焼や、三重県・萬古焼など有名な産地のものは信頼できるのでオススメです。

磁器

つるんとした質感と白色が特徴の磁器。

吸水性はなく、お茶本来の味と香りをそのまま出せることから、初心者の方におすすめです。

代表は佐賀県の有田焼など。

鉄器

伝統を感じる重厚なデザインが魅力の鉄器。
保温性に優れており、割れにくく頑丈で長持ちするのが利点です。

茶葉の繊細な味を出すことには向いていないため、ほうじ茶や玄米茶など香りを楽しむお茶がぴったり
また、使用後はしっかり乾かすなど、注意してお手入れする必要があります。
岩手県の南部鉄器が有名。

ちなみに、鉄器急須はホーローでコーティングされているため、鉄分を摂取することは出来ません。

耐熱ガラス

茶葉が広がる様子や鮮やかな水色など見た目でも楽しむことが出来る、ガラス製急須。
お茶の味や香りがそのまま出やすいので、初心者の方にもぴったり
電子レンジ対応の耐熱ガラスであれば、冷めても温めることが出来るのでオススメです。

樹脂

樹脂製の急須は、アクリルなどの透明な素材でつくられることが多いため、茶葉の動きや水色を楽しむことが出来ます。
熱が伝わりにくく落としても割れない性質なので、子供のいるご家庭でも安心して使うことが出来ます

急須の選び方ポイント

茶器のうち、美味しいお茶になるか、ならないかの分かれ目とも言えるほど重要なのが、急須です。
自分に合った急須を見つけるための選び方のポイントを5つご紹介します。

素材で選ぶ

茶器の素材はお茶の味を変化させることはお伝えしました。
その中で最も味に影響を与えるのが、急須の素材です。
それぞれ異なった特徴があるので、吟味して選んでみて下さい。

  • 陶器、炻器は味をまろやかにする
  • 磁器はお茶の味や香りをストレートに出す
  • 鉄器はほうじ茶、玄米茶向け
  • 耐熱ガラスは電子レンジで温められるほか、見た目も楽しめる
  • 樹脂は割れにくく熱が伝わりにくいため、子供のいる家庭向け

サイズで選ぶ

飲む人数に合ったサイズの急須を選ぶことも大切です。

人数に対して大きすぎるサイズを選んでしまうと、お茶が濃くなり渋い味に。
逆に小さすぎると、何回も継ぎ足さなければならず、相手を待たせてしまいます。
適したサイズの急須で美味しいお茶を淹れましょう。

人数と急須のサイズの目安は、

  • 1人用…100ml~200ml
  • 2~3人用…200ml~350ml
  • 3~4人用…350ml~500ml
  • 4~5人用…500ml~600ml

です。

一般的なサイズは、200ml~350ml。
急須を初めて買うという方はこのサイズのものを選んでみるといいでしょう。

茶こしで選ぶ

急須の茶こしには大きく分けて3つの種類があります。

陶製茶こし(ささめ)

ささめは、急須本体に穴が開いたタイプの茶こし。
陶器製の急須で見られます。

このタイプの利点は、お湯を入れると急須の内部全体で茶葉が泳ぐため、一つ一つの茶葉がしっかりと開くこと。
味や香りが最も出やすいので、美味しいお茶を淹れることが出来ます。

ただし、深蒸し煎茶などの細かい茶葉のお茶は詰まりやすいのが難点。
また、他のタイプの茶こしよりも注いだ時に湯呑みに茶葉が入りやすいです。

金属製茶こし(本体一体型)

本体と一体になった金属製タイプの茶こし。
帯のような形で急須内部を一周している茶こしや、注ぎ口の面だけについたものなど、いくつか種類があります。

このタイプもささめ同様、茶葉が開きやすく、お茶の風味が十分に抽出できます。
また茶こしの目が細かい為、茶葉が細かい深蒸し煎茶や粉茶なども楽しむことが出来ます。

茶こしは取り外し出来ないため裏に汚れがたまりやすく、洗浄は少々大変。
ブラシなどを使って汚れをしっかり落とし、清潔を保ちましょう。

金属製茶こし(かご網型)

かご網型の茶こしで、取り外し可能なタイプ。
現在、最も一般的に見られるタイプの茶こしです。

茶葉の大きさに関わらず、様々なお茶が楽しめます。
取り外しができるため、茶葉を捨てたり、洗ったりするのも楽々。

上の2つのタイプに比べて、茶葉が泳ぐ空間がかごの内部だけとなるため、抽出力は弱くなります。
なるべくかごが大きくて深いものを選ぶといいでしょう。

持ち手で選ぶ

急須は、持ち手の部分にも様々な種類があります。
良し悪しの違いはないので、自分が一番使いやすいと思うものを選んでみてください。

横手型

日本の伝統的な急須。
柄を持ちながら親指でフタを押さえ、片手で注げる便利なタイプ。

上手型

急須の上部に持ち手がついているタイプ。
ほうじ茶、番茶、玄米茶など熱いお茶向き。

後手型

注ぎ口の反対側に持ち手がついたポット型で、中国発祥の急須。
中国茶や紅茶などを淹れる際に用いられることが多く、特にテーブルでお茶を淹れる場合にぴったりです。

宝瓶

持ち手がないタイプの急須。
玉露など、低温で淹れるお茶に向いています。

すり合わせをチェック!

購入したい急須が決まった際、最後に必ずチェックしておきたいのが、ふたと急須の間の「すり合わせ」

すり合わせが悪いと、空気が入ってお茶の味が落ちたり、注ぐ際に隙間からお茶が漏れてしまったりします。
特に安い値段の物は注意が必要。
逆に、急須の有名産地の物や、職人が一つ一つ手作りしている物は信頼できます。

フタはがたつかないか、本体との間に隙間はないかなど、購入の前に必ず確認するようにしてください。

まとめ

日本茶の茶器についてまとめます。

日本茶の茶器の種類は、

  • 茶筒
  • 茶合
  • 急須
  • 茶碗
  • 茶托

茶器の素材によって、お茶の味は変わる。

  • 陶器、炻器はお茶の味をまろやかにする
  • 磁器はお茶の味や香りをストレートに出す
  • 鉄器はほうじ茶、玄米茶など香りを楽しむお茶向け
  • 耐熱ガラスはお茶の味や香りがそのまま出やすく電子レンジで温められるほか、見た目も楽しめる
  • 樹脂は割れにくく熱が伝わりにくい性質から子供のいる家庭でも安心して使える

急須の選び方のポイントは、

  • 素材
  • サイズ
  • 茶こし
  • 持ち手
  • すり合わせ

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あなたにぴったりな茶器が見つかりますように。 [/chat]

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