クコ(枸杞)は中国〜東アジア原産、ナス科クコ属の落葉低木です。
今回はクコの実ではなく葉を使ったクコティーのご紹介です。
クコは中国三千年の歴史の始まりから既に薬効が認められ、以来今日に至るまで生薬として活躍してきました。
生薬名はクコの葉が「枸杞葉」(くこよう)クコの実が「枸杞子」(くこし)です。
日本では平安時代に伝えられたとされています。
その高い効能は、「不老不死」「延命茶」など。
今どきの言い方だと「アンチエイジング」でしょうか。
特に肝臓や胃の健康維持、生活習慣病予防に役立つことが分かっています。
また、目の老化を防止する働きもあります。
この記事では、
- クコティーの効果・効能
- クコティーの正しい淹れ方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
クコティーの効果・効能
クコティーは、「肝臓の健康維持」「生活習慣病予防」「眼病予防」に役立つお茶です。
主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
ベタイン | 肝機能向上、健胃作用、血糖値の抑制、動脈硬化予防 |
ルチン | 抗炎症作用、毛細血管の強化、高血圧・動脈硬化予防、抗酸化作用、抗ガン作用 |
ビタミンB群 | 神経の安定作用、身体の成長促進、疲労回復 |
ビタミンC | 美肌・美白作用、免疫力アップ、ストレス軽減 |
リノール酸 | コレステロール値抑制、血圧降下作用 |
ゼアキサンチン | 目の抗酸化作用、眼病予防 |
β-シトステロール | コレステロール値抑制、免疫調整作用、消炎作用 |
クコティーの効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
ベタイン
これはアミノ酸の一種で、植物や水産物などに広く含まれています。
甘みや旨み、そして保湿効果も持っています。
- 肝機能を高め、脂肪肝も予防する
- 胃液の酸度を調整し、胃を健やかに保つ
- 血糖値の上昇を抑え、糖尿病を予防する
- 動脈硬化を予防する
といった効果が期待できます。
ルチン
これはフラボノイド系ポリフェノールの仲間です。
- 抗炎症作用で様々な炎症トラブルを抑える
- 毛細血管を強化し、高血圧や動脈硬化を予防する
- 抗酸化作用、抗ガン作用で身体を健康に保つ
などの効果が期待できます。
ビタミンB群
ビタミンB群は主にエネルギー産生に関わります。
- ビタミンB1(チアミン)は糖質をエネルギーに変え、神経を正常に保つ
- ビタミンB2(リボフラビン)は糖質、脂質の代謝や成長を促進する
といった効果が期待できます。
代謝とは「身体の中での化学反応」のことです。
ビタミンB群は糖質・脂質から代謝によりエネルギーを作り出すので、疲労回復に効果的です。
ビタミンC
このビタミンは美肌・美白作用に優れています。
その他にも免疫力アップ、イライラ軽減にも役立ちます。
- 肌の老化を抑えて、ツルツルのたまご肌へ
- 肌のメラニン色素を作る酵素チロシナーゼを抑えて、美白ケア
- 免疫力アップで風邪などの感染症から身体を守る
- ストレス耐性を高め、イライラをしずめる
などの効果が期待できます。
リノール酸
これは主に植物や魚の脂に含まれる不飽和脂肪酸の一種です。
中でもリノール酸は体内で作り出すことができず、進んで摂取する必要があります。
そのため必須脂肪酸と呼ばれています。
- コレステロール値を抑制し、動脈硬化を予防する
- 血圧を下げる
といった効果が期待できます。
また、肌の保湿作用、ニキビや吹き出物をしずめる抗炎症作用を持つためスキンケアにも利用されています。
ゼアキサンチン
これはカロテノイドという天然の色素成分です。
目の網膜中心部に存在し、強い抗酸化力を発揮しています。
-
- 紫外線やパソコ
- ンの発光(ブルーライト)による酸化ダメージを防ぐ
老化にともなう眼病を予防する
などの効果が期待できます。
β-シトステロール
これは多くの植物が含んでいる植物性ステロールです。
- コレステロール値を抑える
- 免疫調整、消炎作用でアレルギー症状を緩和する
といった効果が期待できます。
クコティーの副作用について
クコに含まれるベタインには月経を早める作用、中絶薬としての作用があります。
そのため妊娠中や授乳中の女性は飲用しない方が良いとされています。
それから、どの健康茶にも言えることですが飲み過ぎはNGです。
クコティーの場合は大量に飲むと胃腸に負担となり、お腹をこわす可能性があります。
余談ですが、必須脂肪酸のリノール酸は過剰に摂り過ぎると身体に害を及ぼすと言われています。
動脈硬化を予防するはずが、逆に動脈硬化や心疾患の引き金になってしまうのです。
さらにアトピーや花粉症といったアレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
油の摂取バランスについては日々の食生活の中で気をつけた方が良さそうです。
お茶として適量を飲む分には過剰にはあたりませんので、ご安心下さいね。
クコティーの味と香りについて
クコティーは独特の風味を持っています。
まず香りですが、土の粉っぽさを思わせる香りがあります。
味は苦味や渋みは少ないのですが、植物由来のクセがあります。
そのためどうしても飲みにくさが感じられます。
「畳のイグサのような味わい」という意見も見られました。
後味の方は甘みがあり、比較的あっさりとしています。
つまり、クコティーは「苦味は少ないがクセのあるお茶」です。
シングルティーで飲むよりも他のハーブや健康茶とブレンドした方が飲みやすくなってオススメです。
クコティーを美味しく飲む方法と作り方
クコティーを美味しく飲む方法をご紹介します。
茶葉で使う部位は主に葉と茎ですが、実がミックスされている商品もあります。
お茶用にクコの新芽や若葉を収穫し、蒸し・乾燥加工した茶葉を使います。
商品によっては焙煎加工によって青臭さを軽減しているものもあります。
基本の作り方
クコティーには煮出す方法とお湯で淹れる方法があります。
その独特な風味が強く出すぎないように、ここではお湯で淹れる方法でご紹介します。
急須に大さじ1杯程度の茶葉を入れ、熱湯を注ぎ入れます。
フタをして30秒ほど蒸らしたら出来上がりです。
茶こしを通してカップに注いでいただきましょう。
緑茶と同じで何杯か淹れることができます。
オススメブレンドティー
クコティーが飲みやすくなり、かつ効果効能にも相乗効果が期待できるブレンドレシピを3点ご紹介します。
マテ+ハブ茶+クコの葉 | 3種類を同量ずつブレンドします。 香ばしさが引き立って格別に飲みやすくなります。 眼精疲労に効果的なブレンドです。 |
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たんぽぽ茶+クコの葉 | たんぽぽ茶2に対してクコの葉1の割合でブレンドします。 コーヒーに近いしっかりとした味がつきます。 肝臓への働きに優れ、デトックスが期待できるブレンドです。 |
ハトムギ+ウーロン+クコの葉 | 3種類を同量ずつブレンドします。 香ばしさと程良い苦味で、味が飲みやすく整います。 デトックス作用と美肌作用で、キレイをサポートします。 |
クコティーに合うお菓子、食事
延命茶として幅広い効果効能を持つクコティー。
一緒に食べるものも、やはり健康を気遣ったメニューが嬉しいですよね。
日々の健康維持に役立つ「デトックススープ」をご紹介します。
- 材料は玉ねぎ、トマトをベースにキャベツ、人参、ブロッコリーなど
- 野菜を全て小さめに切る
- 鍋に水を少なめに入れ、そこに野菜を入れて煮込む
- ブロッコリーは後から入れる
- 様子を見ながら水の量を調節する
- 鶏ガラスープやかつおダシで味付け
- 塩コショウで味を整える
野菜をたっぷり使って大量に作ってみましょう!
冷蔵庫で2,3日は保存できます。
クコティーのオススメ入手法と買い方
クコティーはお茶や健康茶の専門店、ハーブ専門店、ドラッグストア、漢方薬局などで取り扱っています。
しかし日本ではまだまだポピュラーなお茶ではない為、確実に入手するにはネット通販が便利です。
クコティーのネット通販での取り扱いをいくつかご紹介します。
次にご紹介するのはティーバッグのタイプです。
まとめ
[box01 title=”クコティーの要点”]
- 「不老不死」「延命茶」と言われ幅広い効能を持つ
- 肝臓や胃の健康維持、生活習慣病予防に役立つ
- 目の老化を防ぎ眼病予防にも役立つ
- 妊娠中や授乳中の女性は飲用しない
- 独特の風味がある、苦味は少ない
- クセがあるのでブレンドするのがオススメ
[/box01]
クコティーは数ある健康茶の中でも特に幅広い効能を持つハーブです。
しかし、独特の風味なので好き嫌いが分かれるかもしれません。
ここは逆転の発想で、色々な茶葉とブレンドして味のバリエーションを楽しんでしまいましょう!
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