気に入ったハーブ、体に心地よいハーブが見つかると嬉しいですよね。
毎日の飲み物としてハーブティーを愛飲しているという方も多いのではないでしょうか。
しかし何週間、何ヶ月と続けているうちに
「このままずっと飲んでいて良いんだろうか?」
「体に負担になったりしていないだろうか?」
と心配になってくることもありますよね。
そこで今回の記事では、
- 単一のハーブを毎日飲み続けても大丈夫か
- 毎日飲み続けると体に悪影響があるのか
について調べました。結論から言うと、毎日飲み続けると良くない場合も多いです。
まずは、ハーブについての基本的な考え方から見ていきましょう。
ハーブティーは飲み方によっては体にあまり良くないこともある
ハーブティーとは、その豊富な効果効能により私たちに植物の恵みをもたらしてくれる飲み物。
しかし実は、飲み方によっては体にあまり良くないことも起こり得ます。
例えば、幅広い世代の方々に愛飲されている定番とも言うべき麦茶。
暑い夏にゴクゴク飲めばミネラル補給にもなり、体温の上昇も抑えて汗が引いていきます。
しかし、逆に言えば体を冷やしてしまうという面も。
冷え性の方が寒い時期にゴクゴク飲むのは考えものです。
これはあくまで一例ですが、どんなハーブでも色々な作用を持つ以上、体に良いこともあれば、あまり良くないことも出てきてしまう。
このことがまずは大前提になります。
そしてハーブの中には明らかに「長期にわたって毎日飲み続けるのを避けるべき」とされているものがあります。
まずはそれらのハーブについて、次からご紹介致します。
長期にわたる毎日の飲用に向かないハーブティー
ここでご紹介するのは、長期にわたる継続的使用は避けるべきとされているハーブティー。
現在愛飲されているハーブティーがここに含まれていないか確認してみましょう。
ハーブ名 | 備 考 |
---|---|
エキナセア | 副作用、アレルギー、免疫障害 |
スギナ | チアミナーゼ含有 |
セージ | ツヨン含有 |
セントジョーンズワート | 副作用、光過敏症、医薬品との相互作用 |
ブラックコホシュ | 肝機能障害 |
ホーソン | 安全性の確立は短期使用のみ |
ジュニパーベリー | 腎臓に負担 |
ボリジ | ピロリジジンアルカロイド含有 |
ユーカリ | 青酸含有 |
ゴールデンキャンドル | センノシド含有 |
センナ | センノシド含有 |
レッドクローバー | 発がんリスク |
それぞれのハーブについて、長期に飲み続けてはいけない理由などを少し詳しくみていきましょう。
少し難しい内容が続きますので、興味のあるところだけご覧下さい!
エキナセア
免疫力を高めるので、風邪の季節のセルフケアにと大人気のエキナセア。
風邪症状を早めに治してくれると言われています。
ところが
海外では吐き気や倦怠感、肝臓障害その他の副作用が多数。
アレルギーや免疫障害も報告されています。
(引用:食品安全委員会/食品安全総合情報システム)
スギナ
スギナは雑草のように生えているシダ植物で、春にニョキッと頭を出すつくしんぼとは根っこでつながっていて同一の植物。
髪や爪の健康サポートや、利尿作用もあり膀胱炎にも有効。
スギナは「チアミナーゼ」含有。
長期間にわたる毎日の摂取は、チアミン欠乏を引き起こす可能性があります。
セージ
高い抗菌作用により風邪などの感染症を予防するほか、脂質異常症やアルツハイマーにも有効とされているセージ。
大変身近なハーブではありますが、長期の継続的使用による危険性が示唆されています。
神経毒性のある「ツヨン」含有。
セントジョーンズワート
うつなど精神疾患への民間療法に用いられているセントジョーンズワート。
副作用として不眠や胃腸トラブル、日光への過敏症状などがあり、使用には特に注意が必要とされるハーブです。
また厚生労働省からは、様々な医薬品の薬効を阻害する作用がある旨の報道発表資料も出ています。長期的な使用は避け、必要な時に必要な量だけ使用すべきハーブと言えます。
(引用:厚生労働省/セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)と医薬品の相互作用について)
ブラックコホシュ
女性ホルモンに似た働きを持ち、更年期障害や月経前症候群(PMS)の緩和に用いられてきたハーブ。
海外ではブラックコホシュによるものと疑われる肝機能障害の事例が多数あり。
ドイツのコミッションE(薬用植物評価委員会)では、使用期間を上限6ヶ月までと定めています。
ホーソン
和名「西洋サンザシ」。
高い強心作用を持つとされ、心疾患の改善に用いられてきました。
しかし安全性が確認できているのは、あくまでも短期の使用のみ。
心臓に作用するという重大性と合わせて、60日間より長期の摂取は避けるようにしましょう。
ジュニパーベリー
お酒のジンの香りとして知られるハーブ、ジュニパーベリー。
腎臓系に良く働き、高い利尿作用を持ちます。
そのため長期に飲み続けると、腎臓に負担を与えることが考えられます。
医師の指導なく、自己判断にて4週間を超えて使用することは控えるべきとされています。
(引用:Timeless Edition/ジュニパーの効果効能)
ボリジ
風邪やインフルエンザの初期症状を軽減してくれるボリジ。
落ち込みがちな気分を明るくさせる働きもあり、「勇気をもたらす」ハーブと呼ばれた歴史もあります。
肝毒性のおそれがある「ピロリジジンアルカロイド」含有。
ユーカリ
コアラが食べる植物として知られるユーカリ。
抗菌・抗ウイルス作用で鼻水・鼻づまりの緩和に役立ちますが、実は青酸という毒性のある成分を含んでいます。
(引用:いいもの開発販売株式会社/意外と知られていないユーカリの毒)
ゴールデンキャンドル
ハネセンナ、キャンドルブッシュとも呼ばれ、お腹スッキリ系の健康茶に配合されることがあります。
下剤成分「センノシド」含有。
この成分は長期的に使用すると耐性が増して、下剤効果が効きづらくなります。
その結果薬剤に頼りがちになってしまうということで、長期使用に対しての注意喚起がされています。
(引用:独立行政法人国民生活センター/キャンドルブッシュを含む健康茶)
センナ
センナも前のゴールデンキャンドルと同様、下剤成分「センノシド」含有。
高い下剤効果で医薬品として用いられる植物ですが、センナの茎は健康茶に配合されていることがあります。
ゴールデンキャンドルと同じく長期的に使用すると効果が出にくくなり、ますます排便が難しくなるという悪循環に陥る可能性があります。
レッドクローバー
女性ホルモンと似た働きを持つ植物性エストロゲンを含み、更年期障害の軽減などに効果が期待できるハーブ。
長期間飲み続けると、女性の子宮内膜癌を発生させるリスクも示唆され、まだ安全性が確立していません。
(引用:「統合医療」情報発信サイト/レッドクローバー)
その他のハーブは毎日飲んでも良い?
ここまで、長期にわたる毎日の飲用に向かないハーブについて、具体的にご紹介してきました。
では、それ以外のハーブは毎日、長期的に飲んでも良いのでしょうか。
3ヶ月を目安に見直すのがおすすめ
前述のような、長期に飲み続けてはいけないことがはっきりしているハーブ以外のものに関しては、長期に飲んで直ちに悪影響が出ることは稀です。
ただしこれはあくまでも1日数杯の適量を飲む前提でのお話。
大量摂取をすると、また別の問題が出てきますのでご注意くださいね。
直ちに悪影響が出ないとはいえ、特定のハーブのみをずっと使い続けるというのはやはり考えもの。
例えば果物のりんごが好きだからと年中りんごばかりを食べているより、みかんやブドウも食べた方が良いですよね。
食事はたくさんの品目をバランスよく食べましょう、というのと同じ考えです。
特定のハーブに偏るよりも、複数のハーブを取り入れる方が副作用も出にくく、体がバランスを取りやすくなるのです。
特定のハーブを継続する場合、期間の目安は約3ヶ月。
ハーブティー習慣を始めると、まず体は少しずつ変化し、それから徐々に吸収力を高めていきます。
3ヶ月経つ頃には、ハーブの力は体をしっかりと巡っています。
その頃がハーブを見直すタイミング。
体の声を聞き、その時の体調や気分に合った他のハーブも試してみましょう。
ハーブはガラッと変えるのではなく、ブレンドで少しずつアレンジしていくのもおすすめです。
(引用:ハーブ専門店enherb/ハーブティーのおすすめの飲み方)
1日1杯程度ならさほど気にしなくてOK
さらに少量のみを飲んでいる場合。
例えば朝の1杯のみ、お休み前の1杯のみといった飲み方をされている場合は悪影響をさほど気にしなくても大丈夫です。
1日1杯程度なら一時的なリフレッシュ感やリラックス感などを得られるものの、体に蓄積される影響はわずかであると考えられるためです。
ただし、健康茶のように煮出して作るお茶の場合は要注意。
お湯で淹れるハーブティーに比べて有効成分を豊富に含むことが多く、民間薬として用いられるものも多いためです。
例え少量であっても、他の健康茶も取り入れる、一旦お休みをするなど体調と相談しながら進めていきましょう。
まとめ
今回は、ハーブティーの長期連用における悪影響についてお伝えしてきました。
ハーブティーは自然のものだから副作用がなく安心と言われることもありますが、そんなことはありません。
実際にハーブに関連する有害事象は多数存在しています。
結論として大切なのは「自分の体に耳を傾ける」ということ。
ハーブで得られる効果は良くも悪くも人それぞれ。
飲んで心地よい・美味しいと感じるハーブを中心に、多方面からハーブの恵みを取り入れてみましょう。
きっと健康と美容に役立ってくれるはずです。
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