ローズマリーティーは『美容のハーブ』『若返りのハーブ』とも呼ばれ、アンチエイジングにぴったりのハーブティーです。
ローズマリーは、地中海沿岸を原産地とするシソ科マンネンロウ属の常緑低木。
和名は「マンネンロウ」といい、針のように細長く堅い葉に青みがかった美しい花を咲かせます。
美容や若返りのハーブと呼ばれる理由は、抗酸化物質を豊富に含むから。
これは紫外線によるお肌のダメージ、そして細胞や血管の老化を防いでくれる大切な成分。
加えてローズマリーには美容と健康の大敵である『血行不良』を改善する働きがあるのも大きなポイントです。
そしてもう一つ特筆すべきは、脳に良く働きかけてくれること。
「最近もの忘れが多くなった…」
「頭をフル回転させて効率を上げたい!」
こんな時にはローズマリーティーがきっと役に立ってくれるはずです。
風味はというと、スパイシーでやや強めの香りがありますが、味の方はスッキリさっぱりとしています。
この記事では、
- ローズマリーティーの効果・効能と副作用
- 生のハーブと乾燥ハーブでの作り方やオススメ入手法
について詳しくご紹介します。
副作用では「高血圧の人は避けるべき?」といった疑問にもお答えしていますので参考にしてみて下さい。
ローズマリーティーの効果・効能
ローズマリーティーは血流の改善や、脳の活性化に大いに役立ちます。
代謝アップにデトックス、そして血糖値を抑える働きもあることから、間接的にはダイエットにも効果的と考えられます。
主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
ジオスミン | 血管保護作用、血行促進作用、代謝アップ、抗炎症作用 |
カルノシン酸 | 抗酸化作用、脳の機能維持、解毒作用、抗菌作用 |
ロスマリン酸 | 脳の認知機能向上、抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗酸化作用、血糖値の抑制 |
1.8-シネオール | 去痰作用、鎮咳作用、抗菌・抗ウイルス作用、抗炎症作用、免疫力アップ |
カンファー | 去痰作用、筋肉弛緩作用 |
ローズマリーティーの効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
ジオスミン
これはフラボノイド系ポリフェノールの一種です。
血管を健やかにする働きがあり、海外では静脈瘤などの治療にも用いられる成分です。
- 血管を保護・強化する
- 血行不良の改善
- 冷え性やむくみの緩和
- 代謝アップ
- 炎症による痛みなどのトラブルを緩和する
といった効果が期待できます。
カルノシン酸
これは精油成分として知られるテルペン類に属するジテルペンの1つです。
- 抗酸化力が強く、紫外線による肌のダメージを予防する
- 記憶力の低下を防ぐ
- 脳神経細胞の保護
- 体内の不要な老廃物を排出してデトックス
- 雑菌の繁殖を抑えて口臭ケア
などの効果が期待できます。
特にカルノシン酸は脳への作用が注目され、アルツハイマー予防に対しての研究が進められているところです。
ロスマリン酸
ロスマリン酸はポリフェノールの一種で、シソ科の植物に多く含まれる成分です。
これはローズマリーから最初に単離された成分でもあります。
- 脳を活性化し、認知症予防
- 集中力や記憶力の維持向上
- うつ症状や精神不安を軽くする
- 花粉症やアレルギー症状の緩和
- 抗酸化作用でアンチエイジング
- 糖尿病など生活習慣病の予防
といった効果が期待できます。
さらに前述のジオスミンは血管によく働くことから、ロスマリン酸の抗酸化作用との相乗効果で、血栓や動脈硬化の予防にも高い効果が期待できます。
1.8-シネオール
これはローズマリーの香りの元となる精油成分です。
- タンを出しやすくする
- 咳や鼻炎など、呼吸器系の不調の緩和
- 風邪やウイルス感染症を予防する
などの効果が期待できます。
カンファー
こちらも先のシネオールと同様、精油成分です。
ケトン類に属しています。
カンファーにもタンの排出を助ける働きがあります。
また筋肉弛緩作用があるため、アロママッサージで使用することにより肩こり・腰痛などの痛みを和らげる効果も期待できます。
このほかにもローズマリーには複数の香り成分が含まれ、それらの複合的な働きにより
- 記憶力アップ
- 頭をシャキッとして集中力アップ
- 気分を明るく晴れやかにする
などの効果が期待できます。
ローズマリーティーは勉強や仕事の合間のリフレッシュにぴったりなのです。
ローズマリーティーの副作用について
ローズマリーは比較的刺激性のあるハーブですので、使用には注意が必要です。
まず妊娠中・授乳中の使用について。
ローズマリーは子宮刺激作用、および月経刺激作用があります。
そのため妊娠中は使用を避けて下さい。
同じく授乳中についても、まだ安全性が確立されていないためお避け下さい。
次に刺激成分について。
1.8-シネオールは、皮膚・粘膜刺激作用があります。
刺激を感じることがあれば一旦ストップし、その後様子を見ながら少しずつご使用下さい。
またカンファーはケトン類に属しており、このケトン類には神経毒性や肝臓に対する毒性が指摘されています。
そのため妊娠・授乳時はもちろんのこと、てんかんを患っている方は使用を避けて下さい。
ところでローズマリーは高血圧の人は避けるべきと言われています。
交感神経を刺激するため、血圧がさらに上がってしまう可能性があるためです。
しかし研究によると、
『血圧上昇傾向が見られたのはローズマリーの香りを特に苦手と感じる人であった。』
つまり香りの好き嫌いが血圧などに影響を与えることが示唆されました。
ですから香りが心地よい、美味しいと感じるのであれば、ハーブティーとして適量を飲む分には危険性は低いと考えられます。
続いて、外用での注意点について。
前述でアロママッサージによる効果効能にも触れましたが、外用で使用することで光過敏症、発赤、皮膚炎などが生じるおそれがあります。
このように、ローズマリーには刺激的な側面があります。
過剰摂取は控え、あくまでも適量を楽しむ程度にとどめましょう。
そして体に違和感が出た際は無理に使用せず、すぐに摂取をやめて下さい。
(参考文献:J-STAGE-精油の香りと嗜好が健常人の血圧・脈拍に及ぼす影響)
ローズマリーティーの味と香りについて
ローズマリーティーはほろ苦くスパイシー、かつ爽やかな独特の香りがあります。
このインパクト強めの香りがローズマリーティーの大きな特徴と言えます。
味はほんのりとした甘みに少し苦みもありますが、スッキリとした味わい。
香りが気になり飲みにくいという方は、ハチミツを少し加えると飲みやすくなります。
主張のある風味ですので、単体で飲むよりもブレンドティーにした方が、その魅力を活かすことができオススメです。
ローズマリーティーを美味しく飲む方法と作り方
ローズマリーティーを美味しく飲むための方法についてお話しします。
ローズマリーは栽培されている方も多くいらっしゃいますので、生のフレッシュハーブを使う場合と、ドライハーブの場合に分けて解説します。
基本の作り方:生のローズマリーを使う場合
フレッシュハーブの収穫時期は花が咲く前がオススメ。
花が咲くと風味が落ちてしまいます。
収穫の際はなるべく柔らかそうな部分を選び、水洗いします。
茶葉として使いやすいように、葉は枝から取り外しましょう。
温めたティーポットに、ローズマリーの葉を入れます。
葉の量はティースプーン3杯程度が目安ですが、フレッシュハーブはカサがありますので指で一掴みすると良いでしょう。
そこにカップ1杯強の熱湯を注ぎ入れ、3~5分程蒸らせば完成。
茶こしでこしながら、カップに注いでいただきましょう。
基本の作り方:乾燥したローズマリーを使う場合
温めたティーポットに乾燥ローズマリーをティースプーン山盛り1杯入れます。
そこにカップ1杯強の熱湯を注ぎ、3~5分蒸らせば完成です。
*生のフレッシュハーブを使う方が香り高くさっぱりとしたティーになりますので、初めはできればフレッシュハーブティーで味わってみられるのがオススメです!
ブレンドティーレシピ
+ペパーミント | おなじみのペパーミントとのブレンドでスッキリと清涼感ある風味に。 脂っこい食事の後に飲むと口の中がさっぱりします。 「リフレッシュ」や「口臭予防」「胃の調子を整える」などの働きがあります。 |
---|---|
+レモンバーベナ | レモンに似た豊かな香りのレモンバーベナとのブレンドで、香りに広がりが生まれます。 「消化促進」「気分の落ち込みを癒す」といった働きがあります。 |
+タイム | ピリっとしたスパイシーな風味がお好みの方に。 「風邪などの感染症予防」や「気管支系の不調の改善」に効果的なハーブです。 |
+オレンジピール | 爽やかな柑橘系の風味が加わるので、フルーティーになり飲みやすくなります。 「消化不良の改善」や「リラックス」に効果的です。 |
ローズマリーティーに合うお菓子・食事
ローズマリーティーのお茶菓子には『黒ゴマ団子』がオススメ。
実はゴマにも高い抗酸化作用があり、ローズマリーティーとの相乗効果で老化予防や美肌に大いに役立ちます。
食事の際は、何と言っても『肉料理』が相性抜群。
ローズマリーはお肉の臭みを消してくれるスパイスとしての一面も持っているため、口の中をさっぱりとさせてくれますよ。
次にローズマリーを使ったお料理レシピを1点ご紹介致します。
ローズマリーを使ったジャーマンポテト
(手順)
- じゃがいもを一口大に乱切りし、水にさらし串が刺さるくらいの柔らかさになるまで茹でる
- フライパンにオリーブオイルを多めに入れ、炒め揚げにする
- じゃがいもに焼き目がついたら1cm幅に切ったベーコンを加え、塩コショウを加え炒める
- ベーコンがカリッとしたら、ローズマリーの葉をちぎって加え軽く炒める
- 香りがじゃがいもやベーコンに移ったら完成
ローズマリーティーのオススメ入手法と買い方
ローズマリーティーを入手するにあたっては、
- ドライ(乾燥)ハーブ:ハーブティー専門店などで購入
- フレッシュ(生)ハーブ:自家栽培か、あるいはスーパーの野菜コーナーにて購入
などの方法があります。
ただし野菜コーナーで売られているものはお料理のスパイスとしては使い勝手の良いものですが、お茶にするとすぐに使い切ってしまうためコスパがあまり良くありません。
フレッシュハーブはお庭で栽培されたものを収穫されるのが一番のオススメです。
ドライハーブを購入する
ドライハーブであれば、ハーブティー専門店などの通販でも購入が可能です。
こちらに通販での取り扱いを何点か挙げておきます。
次にご紹介するのは、なじみ深いほうじ茶とのブレンドティー。
こだわりの国産ローズマリーが使われているのもポイントです。
続いてのご紹介は、その名も『もの忘れブレンド』。
脳をシャキッと活性化してくれること間違いなし!
ローズマリーを栽培する
ローズマリーはとても育てやすいので、園芸初心者にもオススメのハーブです。
お庭やプランターで是非チャレンジしてみて下さい。
ローズマリー栽培のポイント
- 植え付けは春か秋に行う
- 日当たりが良く、乾燥がちな場所を好む
- 土は市販のハーブ用培養土が便利
- 肥料は最初に少しだけ、後はあまり必要なし
- 土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをする
- 枝が混み合ってきたら剪定して風通しを良くする
- 全体として乾き気味に育てる
[box01 title=”ローズマリーティーの要点”]
- 血管を保護・強化してくれる
- 脳を健やかに保つ
- 高い抗酸化作用で、老化防止や美容ケアに
- 生活習慣病の予防にもなる
- 鼻や喉の呼吸器系トラブルを緩和する
- 風邪などの感染症予防にも
- 香り成分により、記憶力や集中力UP
- 妊娠中・授乳中・てんかんを患っている方は使用を避ける
- スパイシーでインパクト強めの香りと、スッキリとした味わいが特徴
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ローズマリーは香りの主張が強いので、好みが分かれるハーブかもしれません。
お好みのブレンドを見つけて、アクセントとして使うのも良いでしょう。
個人的には、ハチミツとたっぷりの牛乳を加えて飲むのがまろやかな味になりオススメです。
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