ジャーマンカモミールティーの効果・効能や味とは? 正しい作り方やおススメ入手法

ハーブティー図鑑
この記事は約11分で読めます。

カモミールはキク科の白い花で、花の部分をハーブティーにします。
りんごに似た甘い香りが特徴で、安眠・リラックス作用があると言われています。

ローマン・カモミールとジャーマン・カモミールがありますが、ハーブティーにするのは苦味の少ない後者です。

ジャーマンカモミールティーには、安眠・リラックス作用の他にも、胃腸の健康促進、女性の悩み軽減、頭痛や風邪予防など、様々な効果があるとされています。

この記事では

  • ジャーマンカモミールティーの効果・効能
  • ジャーマンカモミールティーの正しい作り方とオススメ入手法

についてご紹介します。

ジャーマンカモミールティーの効果・効能について


ジャーマンカモミールティーが含む有効成分は以下のとおりです。

成分名 効果・効能
アズレン誘導体 胃粘膜修復、抗炎症作用、口臭予防、老廃物排出、細胞修復促進
カマズレン 抗炎症作用
アピゲニン 抗炎症作用、抗酸化作用、血流促進、体を温める、ヒスタミン生成抑制、癌になるリスクを下げる、新しい神経細胞を作る
セスキテルペン 抗菌作用、抗炎症作用
アンゲリカ酸エステル 副交感神経の働きを活性化させる
マトリシン 胃の炎症を鎮める、胃腸の粘液修復
ビサボロール 抗菌作用、抗炎症作用、肌の乾燥を和らげる
ルテオリン 抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用
コリン 血中コレステロール低下、脂肪肝予防、高血圧予防
タンニン 収れん効果、下痢止め効果

アズレン誘導体

これは特に抗炎症作用で知られている成分です。

  • 胃の粘膜を治す
  • 胃の炎症を鎮める
  • 消化器の細胞修復を促進する

など、消化器に主に作用するとされています。

カマズレン

アズレン誘導体の一種です。特に炎症を鎮める作用をしめします。

アピゲニン

ジャーマンカモミールティーのフラボノイド類の1つであり、いまカモミールティーで最も注目されている成分です。

  • 炎症を鎮める作用
  • 酸化を抑える作用
  • 血流促進作用
  • 体を暖める作用
  • クシャミなどのもとになるヒスタミン生成を抑える

とされているだけでなく、

  • 脳などの神経細胞の新生を促す
  • がんを予防する

と言われています。

セスキテルペン

これは

  • 菌の増殖を抑える作用
  • 炎症を抑える作用

をしめし、感染症のときなどに効果があると言われています。

アンゲリカ酸エステル

これは副交感神経の働きを活性化させて、

  • 興奮を鎮める
  • 自律神経のバランスを整える

効果があるとされています。

マトリシン

これは消化器に効く成分で、

  • 胃の炎症を鎮める
  • 胃腸の粘液修復

に効果があるとされています。

ビサボロール

これはジャーマンカモミールの甘い花のような芳香に関わる成分です。
飲用すると抗菌作用・抗炎症作用に関わります。
また、肌に塗ると肌の乾燥を和らげる作用もあるとされています。

ルテオリン

これはフラボノイドの一種です。

  • 抗酸化作用
  • 炎症のもとになる成分生成を抑える
  • ヒスタミンを抑制しアレルギーを抑える

などの作用が確認されています。

コリン

コリンは体内でレシチンという成分に組み込まれ、

  • 認知症予防
  • 動脈硬化予防
  • 肝機能活性化
  • 脂質の代謝を活発化

するのに関わりますが、単体では

  • 血中コレステロール低下
  • 脂肪肝予防
  • 高血圧予防

の作用があります。

タンニン

渋み成分のひとつです。

  • 収れん効果
  • 腸粘膜を収れんさせることによる下痢止め効果

があります。

その他の効果効用について

  • 頭痛緩和
  • 抗不安作用
  • 鼻炎・鼻づまりを抑える(蒸気を吸い込む摂取法だとさらに良い)
  • ニキビなどの肌トラブルを抑える
  • 発汗作用
  • 安眠作用
  • 利尿作用
  • 殺菌作用
  • 平滑筋(消化器や子宮の筋肉)を落ち着かせる
  • 生理痛を和らげる
  • リラックス作用
  • 母乳分泌促進
  • 美肌作用(メラニン生成抑制)
  • 血糖値を下げる
  • 過敏性腸症候群の緩和
  • PMS軽減
  • 抗ストレス作用

などの効果があるとされています。

ジャーマンカモミールティーの副作用・気をつけるべきこと


基本的に、離乳食前の乳児はジャーマンカモミールティーを飲むべきではありません。
離乳食を始めている場合は、3倍ほどに薄めてからあげてください。
夜泣きへの効果が期待できると言われています。

授乳するお母さんが飲んでも、ジャーマンカモミールティーの成分が母乳に移行するので、ある程度の効果が期待できるとされています。

とは言っても、授乳中にジャーマンカモミールティーを大量摂取した場合に安全であるという研究やデータがないため、あくまで適量の摂取にとどめてください。

また、ブタクサなどのキク科にアレルギーを持つ人は、同じキク科であるカモミールティーは避けるべきです。
アレルギー反応が起きる危険があります。

妊娠中のジャーマンカモミールティーは避けたほうがよいです。
カモミールには平滑筋(子宮の筋肉)弛緩作用と子宮の収縮に働く作用があるとされているためです。

最後に、アスピリン、サリチル塩酸以外の非ステロイド系抗炎症薬とジャーマンカモミールティーの併用は避けるべきとされています。
これらの薬物と、相互作用を引き起こす可能性があるためです。

ジャーマンカモミールティーの味と香り


リンゴのような香りと、クセのない口当たりです。
濃く淹れたり、蒸らし時間が長かったりすると、若干の苦味や渋味を感じるかもしれません。

蜂蜜や砂糖を入れるともっと美味しくなります。
カロリーが気になる方は人工甘味料かステビアをどうぞ。

ジャーマンカモミールティーをおいしく飲む方法と作り方

基本の作り方

1カップ(150~180ml)につきティースプーン1杯の乾燥カモミールを使います。
カモミールに熱湯を注いで4~5分蒸らせば出来上がりです。
倍の濃さに淹れて氷の上に注ぎ、アイスティーとして楽しむこともできます。

オススメブレンドティー

ブレンド材料 効果
牛乳+シナモン より体が温まり、胃腸の健康に役立つ。蜂蜜を加えてラテにしてもおいしいです。
牛乳+シナモン+クローブ+バニラ より甘い風味を楽しみたい時に。やはり、蜂蜜を加えてラテにしてもおいしいです。
蜂蜜 甘みを加えたい時、最もよく合う甘味料です。
りんごジュース+蜂蜜 カモミールの風味がより引き立ち、甘酸っぱくおいしいお茶になります。
ネクター+蜂蜜 甘酸っぱくおいしいお茶になります。冷たくしても合います。
レモン汁+蜂蜜 レモンとカモミールの風味が合い、甘酸っぱくておいしいです。暖かくても冷たくてもいけます。
ライム汁+蜂蜜 こちらも風味が合い、甘酸っぱくておいしいです。こちらは冷たくするのが合います。
生姜+蜂蜜 体がより温まり、眠りやすくなります。胃にもよいし、風邪にも効きます。
ラベンダー+蜂蜜 よりリラックスさせ、安眠に誘います。
ローズペタル+蜂蜜 女性ホルモンバランスを整え、PMSや月経痛を減らす効果が期待できます。
レモングラス レモングラスの効果により、胃腸の調子を更に整えます。
ペパーミント ミントの効果により、胃腸の健康に更に役立ちます。
レモンバーム レモンバームの効果により、抗不安作用を高めたり消化器を健康にしたりするのに更に役立ちます。
オレンジピール カモミールと同様にリラックス効果を持つため、相乗作用が期待できます。
レモングラスティーの気になる味は?効果・効能、飲み方を解説!副作用や妊娠時の心配事は?
レモングラスは、リフレッシュ効果や風邪予防、食欲ないときのサポートになるハーブです。 レモングラスはイネ科の植物で1mほどの高さになります。 インドかスリランカあたりが原産といわれている植物で、インドでは数千年も前から使われている薬草です。...
ペパーミントティーの効果・効能や味とは?正しい作り方やオススメ入手法も徹底解説!
ペパーミントは、シソ科ハッカ属の多年草でヨーロッパが原産です。 和名はセイヨウハッカと言い、アロマテラピーやガムなどの菓子類、歯磨き粉などに使用されています。 とても身近な植物ですよね。 ペパーミントティーにはメントールが含まれています。 ...
レモンバームティーの味は?効果・効能、飲み方を解説!副作用や妊娠時の心配事は?
レモンバームはレモンのようなスッキリとした香りが、不安な気持ちや緊張を和らげてくれる抗うつ作用を持つハーブです。 別名は「メリッサ」、和名は「香水薄荷(こうすいはっか)」。 メリッサは元々ギリシャ語でミツバチを意味し、夏ごろに咲く小さな白い...
オレンジピールティーの効果・効能や味とは? 正しい作り方やおススメ入手法
主にビターオレンジ(和名:橙)の果皮を乾燥させたものがオレンジピールです。 オレンジピールティーはその甘く爽やかな香りで気分を落ち着かせ、リラックスさせる作用があるだけでなく、ビタミンCを始めとした抗酸化物質など、多くの健康に良い成分を含ん...

ジャーマンカモミールティーに合うお菓子、食事


素朴な味付けのスコーン、マフィン、薄いクレープなど、あまりクセの強くない小麦粉菓子と一緒に食べるのが合います。

クリームをたっぷり付けてどうぞ。

スコーン生地やクレープのシロップにカモミールの花本体を使うこともあるため、基本的に相性が良いです。

ミルクカモミールティーするならオススメはオールドファッション。
おそらくもう少し脂っぽい小麦粉菓子、例えばドーナッツのオールドファッションなどにも合います。

オールドファッションにかけるシュガーコーティングのベースにカモミールティーを使うレシピすらあります。

フルーツタルトなどにも合うかもしれません。
ストロベリータルトのシロップにカモミールを使うこともあるからです。

また、果物の香りや甘酸っぱさが強いものでなければ、マカロンも合います。

ジャーマンカモミールティーのオススメの入手法と買い方


スーパーやドラッグストア、ネット通販でいつでも入手可能です。
スーパーではPOMPADOUR、ドラッグストアでは山本漢方製薬のものがオススメです。いずれも安価に手に入ります。



Amazon、楽天でも多数の出品があります。

ただ、カモミールは他のハーブとブレンドしやすいハーブであるため、ブレンドティーとして売られていることが多いです。

カモミールティーのみを手に入れたい場合はお気をつけください。

まとめ


[box01 title=”ジャーマンカモミールティーの要点”]

  • 体を温め、リラックス作用や安眠効果がある
  • 胃腸の炎症を沈め、粘膜を修復する
  • 風邪予防やアレルギーにも効果がある
  • 生理痛やPMSなどを和らげる
  • 多くのハーブやスパイスとブレンドが可能
  • ブレンドするハーブによって効果が増強できる
  • マフィン、スコーンなど主張の強くない菓子に合う
  • スーパー・ドラッグストア・ネット通販で購入可能

[/box01]

ジャーマンカモミールティーは、様々な癒やしの効果を持つだけでなく、アレンジ次第でとてもおいしい飲み物になります。

価格もそれほど高くないため、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました