リコリスは和名「甘草(かんぞう)」といい、地中海沿岸原産、マメ科カンゾウ属の多年草です。
成長すると高さ1メートル程になります。
甘草は漢方でも用いられており「百薬の毒を解毒する」生薬と言われています。
他の生薬に含まれる毒をも解毒するとは、すごい効能の持ち主ですね。
実際に多くの漢方方剤に用いられ、大きな存在感を放っています。
リコリスは強い甘みがあり、お茶のブレンドの脇役として大活躍します。
脇役と言っても、豊富な薬効を持つ優秀なハーブですよ。
特に粘膜を保護する作用に優れており、胃潰瘍などの消化器系のトラブルをケアします。
この記事では、
- リコリスティーの効果・効能
- リコリスティーの正しい作り方やおススメ入手法
について詳しくご紹介します。
リコリスティー(甘草茶)の効果・効能
リコリスティーは胃炎や胃潰瘍の緩和に役立つお茶です。
アレルギー症状や風邪による咳・タンにも効果的です。
リコリスティーの主な有効成分と、その効果について表にまとめました。
成分名 | 効果・効能 |
---|---|
グリチルリチン酸 | 抗潰瘍作用、抗炎症作用、免疫調節作用、抗ウイルス作用、肝細胞増殖作用 |
フラボノイド | 抗酸化作用 |
イソフラボン | エストロゲン様作用 |
クマリン | 抗酸化作用、抗菌作用 |
リコリスティーの効果・効能について、成分別に詳しく見ていきましょう。
グリチルリチン酸
これがリコリスの効能を特徴づける代表的な成分です。
強い甘みを持ち、その甘さは砂糖の50倍とも言われています。
消化器系の粘膜保護など、豊富な効能を持っています。
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を改善する
- 胃炎による胃の痛みを和らげる
- アレルギー症状を和らげる
- 風邪などの感染症から身体を守り、咳やタンを鎮める
- 肝臓を強化する
などの効果が期待できます。
フラボノイド
フラボノイドとはポリフェノールの仲間です。
リコリスにはフラバノン類フラボノイドが多く含まれます。
抗酸化作用が高く、細胞を酸化ダメージから防ぎます。
- 肌のシミやシワなどのエイジングケア
- 動脈硬化を防ぎ健康維持
といった効果が期待できます。
イソフラボン
この成分も実はフラボノイド系で、大豆に多く含まれています。
女性ホルモンの「エストロゲン」に似た作用を持ちます。
- 更年期症状の緩和
- 肌や髪をツヤツヤに保つ
などの効果が期待できます。
クマリン
これはフェノール酸系ポリフェノールです。
抗酸化作用や抗菌作用があります。
前のフラボノイドとの、抗酸化への相乗効果が期待できます。
また、抗菌作用で喉の不調にも効果的です。
リコリスティー(甘草茶)の副作用について
リコリスに含まれるグリチルリチン酸には、高血圧やむくみなどの副作用が報告されています。
また、クマリンには肝毒性があるとされています。
よって、リコリスは以下に当てはまる方は飲用を避けて下さい。
- 妊娠中や授乳中の方
- 高血圧、肝臓疾患、低カリウム血症、うっ血性心不全の方
- むくみの症状が出ている方
また、長期間にわたって飲むことは避けるようにします。
目安としては4週〜6週経ったら一度お休みして下さい。
さらに一度に大量をがぶ飲みするようなことも避けて下さい。
リコリスティー(甘草茶)の味と香りについて
リコリスティーの特徴は何と言ってもその甘さです。
砂糖の30倍〜50倍の甘さと言われ、ステビアと並ぶ代表的な天然甘味料です。
そしてリコリスはただ甘いだけではありません。
リコリス特有の、漢方風のほのかな香りがあります。
それは薬草のようでもあり、土の香りにも似ています。
リコリスティーを一口飲むと、まずこの香りがほんのりと感じられます。
その後ジワジワと甘みが口の中に広がり、後味としてまったり残ります。
このような特徴から、リコリスはお菓子や飲み物の甘味づけや、タバコの味付けにも使われてきました。
リコリスティー(甘草茶)を美味しく飲む方法と作り方
リコリスティーを美味しく飲む方法をご紹介します。
使用する部位はリコリスの根の部分です。
ハーブティー用に乾燥加工したものを使います。
基本の作り方
ティーポットに、小さじ1杯のリコリスを入れ、カップ1杯のお湯を注ぎ入れます。
蒸らし時間は約5分。
根を使うので、できれば少し長めに蒸らします。
黄緑色に色づいてきたらカップに注いで出来上がりです。
オススメブレンドティー
リコリスは、実はブレンドティーとして使う方が圧倒的におススメです。
他のハーブの渋味や苦味を抑え、飲みやすくまとめるのがとても得意です。
比較的どんなハーブともよく合うので、今回は薬効を重視したブレンドをご紹介します。
ところでリコリスはかなり甘みが強いので、ブレンドに少量を加えるだけでもかなり甘くなります。
後はお好みですが、味と薬効とのバランスで調整してみて下さい。
ジャーマンカモミール | 胃の不調に効果的なブレンドです。 割合はカモミール2:リコリス0.5です。カモミールは鎮静作用にも優れ、リラックスできます。 そのためストレス性の胃痛にも良く働きます。 |
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エキナセア | 「天然の抗生物質」とも言われるエキナセアを使って、免疫力がアップするブレンドです。 割合はエキナセア2:オレンジピール1:リコリス0.5です。エキナセアはさっぱりしていますが、少し濃いめに作ると苦味が出てきます。 リコリスをプラスすると飲みやすくなります。 |
ジンジャー | ジンジャーは消化を促進してくれるので、胃に元気が無い時にオススメです。 スパイシーなジンジャーと、フルーティーなエルダーフラワーは絶妙なハーモニー。身体をポカポカに温めて、風邪のひき始めにも効果的です。 割合はジンジャー1+エルダーフラワー1+リコリス0.5です。 |
リコリスティー(甘草茶)に合うお菓子、食事
リコリスのような甘みの強いお茶にはフルーツが良く合います。
オススメは「フルーツヨーグルト」です。
ただし、あまり酸味の強い柑橘系などは胃に刺激になってしまいますので注意が必要です。
リンゴやバナナをカットし、プレーンヨーグルトをかけるとさっぱりとして美味しいです。
消化が良いので胃に優しく、風邪のひき始めにも向いています。
あるいは既にフルーツがゴロゴロと入っているヨーグルトも出ていますね。
お好みで色々なバリエーションを楽しんでみましょう。
リコリスティー(甘草茶)のオススメ入手法と買い方
リコリスティーは、リコリスの根をハーブティー用に乾燥・刻み加工したものが市販されています。
ハーブティー専門店などで入手することができます。
リコリスのネット通販での取り扱いを、一例としてご紹介しておきます。
なお、リコリスは市販のブレンドティーでもよく使われています。
手軽なティーバッグタイプも沢山ありますので、好みの味を探してみるのも楽しいですね。
まとめ
[box01 title=”リコリスティーの要点”]
- リコリスは甘草ともいい、漢方の生薬でもある
- 粘膜保護作用に優れ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に良い
- アレルギー症状や、風邪による咳タンを和らげる
- 肝臓を強化する作用もある
- 高血圧やむくみ、肝毒性などの副作用があるので注意する
- 強い甘みと、草土を思わせる独特の風味が特徴
- 甘みを生かしてブレンドティーとして使うのがオススメ
[/box01]
ハーブティーや健康茶の苦味を和らげるのにはハチミツがよく使われますが、リコリスも便利です。
何しろ「百薬の毒を解毒する」生薬ですから使わない手はありませんね。
実際に胃を守る作用、肝臓を元気にする作用があることも分かりました。
少量パックで購入して常備しておくと、ブレンドに使えて何かと便利ですよ。
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